祈りはシビア

不可能性 不可逆性

そういったものに直面して

人間が、どうしようもなくなったとき

論理でも 理性でも

どうにも対処できなくなったとき

それでも

こみあげてくるものに

あらがえなくて



思わず「かみさま、」と手をにぎるあるいはあわせてしまうのが、祈りだ



祈りってほんとはふわふわしてないまったくそんなものではない、

どころかとてもシビアなものだ

人間は人間存在としてしか存在できない



限界がある





いくら約束しても かたくまもる、と信じても

えいえん ぜったい かならず

そう言いたくて気持ちはほんとうにそう、でも、

私たちが人間であるかぎりはそれはいつでも100パーセントにはみたない

意志は100パーセントだったところで、



私たちの人間という本質が100パーセントを「ぜったいに」ゆるさない





そんなときに私たちはいのる

そういうところからいのりははじまる

いのりをしるひとは、自分が人間であることを、弱いことを知ってしまったひと

なにをどうがんばったって約束は100パーセントにはなれない絶望を

知ってしまった、ひと





えいえん ぜったい かならず

まもりたい ずっとまもりたいよ、

そこに あなたがいるのだから

あなたが そこにいるかぎりは、





おねがい、かみさま、わたしをどうかここにおいて

わたしがあいのためになすべきことを

なすまでは





いかしてください どうか、どうか

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