ライカとラプラス

彼は名をラプラスといった。

ラプラスは神だった。

ラプラスはいつも宇宙の果てから地球を見ていた。

ラプラスはそんなに優しくなかったから

ラプラスはそんなに優しくなかったから

全てをわかっていたってそんなのおかまいなしだった。


ある日彼は宇宙船を拾った。

退屈紛らわしに中をのぞくと

そこには巻き毛の犬がかたくなっていた。

知るものかとほうっておいた。


巻き毛の犬は毎日ラプラスを見つめていた。

死んでもなお見つめる力だけはあった。

ラプラスは犬を抱き上げた。

冷たかった。


ラプラスは犬を冥王星に埋めることにした。

ただざくざくと土を掘って

無造作に犬を放り投げた。

それなのに犬は笑った。

ライカ犬は笑った。


「どうでもいいから」と

ラプラスは吐き捨てて、宇宙の果てへ戻っていった。

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