第14話落ち着いて作戦会議を

「うぅ…アリス、クリス…」

ルグドの言葉に泣き崩れるリリス


「そうか…」

カフルは顔をうつ向き涙が伝っている

カフルの足元、その目線の先にリリスが泣いている


「…くそっ」

コドルが、ルグドの横を通りすぎ、部屋を飛び出す

だが、ルグドに腕を捕まえられる


「離してくれ!」

止めたルグドを睨み付ける

「まて、何処へ行く?」

落ち着いた口調で話しかける

「二人の所へ行くに決まっている!」

ルグドの手を退けようとするコドル

だか、ルグドも力を込め離さず、コドルに再び話しかける


「落ち着け、今二人の所へいってもムダだ。大規模な魔力となれば、本部も動く。ワシらが今向かうより、本部に助けてもらった方が早い。それに、ルーグ家の双子と分かれば無下に動かんだろう」


「けど…!」


「落ち着けと言っておる!」

ルグドは語気を強め、コドルを落ち着かそうとする


「いいか、ルーグ家は双子の事で荒れとる。生かすべきか、今すぐ消すべきか…。だが、どちらにしろ、もう双子を殺すのは嫌だという思いは皆一緒…どうにか、災害を起こさぬよう探しておる…」

そういうと、コドルの腕を離し、顔を俯かせる

「しかし、勝手に起こる儀式に我らもどうすることも出来ん」


コドルの言葉に疑問を抱いたルグドは問いかける

「勝手に起こる?そうなのか?」

ルグドの質問に頷き、コドルは答える

「あぁ、昔、何度か止めようとしたそうだ…だが、強すぎる魔力に負けてな…何者かが強制的に儀式を発動しているようにもみえるが…」


ルグドはそういうと、じっと、カフルを見つめる

「カフルよ、二人にかけた魔術はあるのか?」


カフルもルグドを見つめる

そして、ルグドの質問に静かに答え始める

「どちらかに前兆が来たら、災害時に起きる魔力を分散させる魔術をかけておる…必ず行うよう、言葉悪く二人には殺し合うように。とは言っている…本当に起こるまでの一時しのぎ程度だろうがな…」

カフルは、悔しそうな顔をする


カフルの顔や言葉に、ルグドはしばし無言になった

「ふん、魔力の殆ど無い年寄りの魔術…まぁ威力はないと思うが…」

というと、ルグドはコドルの方を向き、話しかける


「魔術本部は、こんな人里離れた村の中にいる、魔力のないワシらの場所はわからないだろう。こちらから何かしら接触しない限り、連絡はつかない状態だ…」


「リリスと、カフルは魔術本部へ行くがよい。コドルはこのままワシと此処に残るといい」


「なぜ?俺も本部へ…」

と、コドルが問いかける


「後日来るであろう、魔術本部からの要請を待たねばならない為だ。契約違反をしたからな。それなりに何かはあるだろうからな。それに、日が開けて昼、親族が来る予定でもある。こちらの準備を手伝ってもらう」


「…だが」

コドルは腑に落ちない顔をする

ルグドは、そんなコドルを見て、ため息をついた


「今晩はもう遅い…寝て明朝、我らで一度話し合い動こうか…」

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