休息イベント発生中:村を挙げてのお菓子パーティーをしよう☆

SSSお菓子パーティー買物者選抜戦開催ッッッ!

 小中学生のプール開きを皮切りに、あれから共同農園や共同食堂、共同温泉、トイレ関連などが立て続けに生まれ、荒地は少しづつ村らしくなってきた。


 足りない物は多いけど、初めにしては上々だろう。


 そして今日も今日とて新しい施設を練ろうと宿屋に集まったとき、相沢さんが第一声で口を開いた。


「お菓子が食べたい」


 茶色の濁った目が座っている。いつも人間として目が曇っているが今日は特に曇っている。「英雄パーティーを追放されてからというもの、毎日野菜のスープスープ! たまにホットケーキ、そしてスープ、on the スープ!」


 on the した記憶ない。


「年頃の娘がスープだけ食べて生きていけると思う? 否! 不可能だよね、そうだよね? 食物繊維の汁だけじゃミリャ先生みたいなオッパイになれるはずないよね? そう思わないエリィちゃん!」


「な、なんで私にふるんですか……た、確かにボリュームは無いですが、これはこれで発展途上という奴で……」


 両手で自分の胸を触りながらエリィは答える。もしかして気にしているから、いつも胸だけ下から持ち上げるような服装を選んでいるのだろうか。


「しかしお菓子か、我も悪くないと思うのじゃ」


 相変わらず俺の背中にべったりとくっつきながら、甘えん坊吸血鬼のイヴァは舌なめずりをする。


「ミリャ先生はどう思います?」


「そうですね、皆さんもかなり短期間で頑張ってきました。ここは盛大にお菓子パーティーいえ、お菓子祭りなんてどうでしょう」


 先生の発言を聞いて相沢さんは、文字通り椅子から飛び上がる。


「お菓子祭り、良いねミリャ先生、そういう発言待ってました!」


 そしてすぐさまミリャ先生の後ろに回り、豊満なバストを鷲掴みする。


「そうか、この胸には夢も希望も——お菓子祭りも詰まっていた——!」


「あ——あ、相沢さん、あ、あの、あまり、つよくは——」


 ミリャ先生は膝を緩めて、ううと良いながらも揉まれ続ける。


 これは会議中の日常茶飯事なのでもう慣れた。もし身体が男に戻っていたら目の毒だが、今は耳が落ち着きなく、ぴんとするくらいだから問題ない。


「それじゃ、買い出しに行きましょうか」


 ということで、一番近くの街まで馬車で買い出しに行くこととなった。


 お菓子の材料を買い込む選別メンバーは、村人総出で血で血を洗うくじ引きで決定した。やはり生徒さんたちも買い出しに行きたいようだった。


 結果、選別されたものは以下の三名である。




 買い出しメンバーその壱。


 幼い体のくせに胸を強調する矛盾を孕んだアンバランス魔法剣士エリィ! 本日は誰も火あぶりになることなく、無事にお買い物は完了するのか!?


「胸が小さい方がお菓子を多く貰う権利がある。私はそう信じている——!」


 買い出しメンバーその弐。


 初登場の魔術研究組織『自然魔術研究組』所属、眼鏡をかけたら右に出る者はいない。眼鏡の奥に潜む大人しい瞳は何を見るのか。ミリャ先生に負けないバスト、それは文学少女の証——。


「は、はじめまして、みんなからは図書館のフィフィオと呼ばれています。きょ、きょうは、がんばるぞ!」


 そして最後は我らが自分。


 生まれながらの屈強な筋肉と性別をかなぐり捨てて、歩んであげましょう幼女道。なみだなみだで過去を濡らすも、顔を上げれば綺麗な未来が待っている。


 魅力マックス、幸運マックスのケモミミ幼女とは俺のこと。


「無難なメンバーで安心しました」

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