第16話考えたこともないこと
カリアが、出ていった後の医務室に、うーん……と悩んでいる四人の姿
「どうしよう……」
メイナがポツリと呟く。メイナの言葉に、少し我に帰ったノエルが、壁に飾られた時計を見た
時刻は
今日はおやつもなく、ただ時間が過ぎて、お腹が空いてきた妹二人
「お腹が空いたね」
リエルが三人に話しかけても、みんなうつむき顔
なんだか余計に暗くなる医務室。また静かになろうかとしてた時、またコンコンと医務室の扉から音が聞こえてくる
「ご機嫌いかがかね?」
やってきたのは、バルバ大佐とカノン隊長
「不機嫌ですよ……」
返事をしたのはノエル。その後もどんどんテンションの下がっていく四人
「意外だね、さっきまで楽しそうだったのに」
昼間までとの雰囲気の違いに、二人も戸惑う
「いや、その……」
どう答えたら良いのか分からないノエル
メイナとリエルも、ぬいぐるみのリーリルをもふもふと、触りながら悩み続けている
カリアが出てから、ずっと黙っていたクリルが、カノンとバルバに向かっていく
「なあ、学校行ったらどうなる?強くなる?飯が食えるのか?」
ぐいぐい近寄り聞いてくるクリルに更に戸惑う二人
ノエルも、困ったように二人に思いを話し始めていく
「僕もリエルも未来のためと強くなるためとか、そういうので生きてきてないので……だから行ったらどうなるとか将来とかわからなくて……」
ノエルの言葉にクリルが、うんうんと頷く
「俺もだ。メイナには悪いけど、能力使って強いやつと楽しめればそれで良かったから……」
二人からの相談に、言葉につまるカノンとバルバ
どう答えを返すべきか、悩みつつもカノン隊長から、話し始める
「そうか、仕方あるまいな。でも、悩んでも致し方ないぞ」
カノン隊長の言葉に続き、バルバ大佐も話し始める
「どうせ君たちは、帰るところも頼るべき人も今はいないというなら、良い話だと思うが……」
バルバ大佐が言うその言葉に、返す言葉がない兄妹達
特に、迷惑じゃないか、大変じゃないか色々考えて悩むノエル
クリルも、あれこれ考えている様子
妹二人も、まだぬいぐるみをもふもふしながら、考えている
「それに、君達の能力は、このままにするには、本当に勿体ない。是非ともその能力を有効に使ってほしいのだか……まあ、今すぐとは言わない。ゆっくり考えてくれ」
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