第16話 図書PR

 うちの子の小学校は、1年生と6年生の教室がが同じ階に有ります。


 春の参観日。


 早めに着いたので、6年生の工作の作品などを眺めつつ時間を潰してました。


 目に留まったのは、6年生の廊下の壁に貼ってあった「おススメ図書PR」


 自分のお勧めの本について、ネタバレしないようにPRする企画でした。


 コレ中々面白い。


「僕らの七日間戦争」とかね。


 懐かしい。


 6年生って、こんなの読むんだーって。




 そして、ある男の子の文書が素敵でした。


「『君の膵臓が食べたい』この意味が、読んで行くと少しずつ変わって行きます。その意味を考えながら読んで欲しいです」


 なんとなく、感想文に近いものになりがちな中、ピカリと光ってました。


「小説家になろう」から書籍化されて映画化にも成り一大ブームだったのは知ってましたが、全く読んでなかったのです。


 俄然興味が湧きました。


 まず、小説を読みました。


 成る程、言ってる意味が分かりました。


 最初は、病気を治す為に昔は患部を食べると良くなると思われていた、そんな話から。


 そして、2人の関係がだだのクラスメイトから変化して行く、その節目節目に『君の膵臓が食べたい』というワードが出て来るんですね。


 作者さんは恋愛小説では無いと言っているので、親愛?友愛?いずれにせよ愛情です。


 そして、その2人の関係の移り変わりが、呼び方(呼ばれ方)でも感じ取れるんですよね。


 コレね、桜良さくらという女の子は多分、一貫して「◯◯君」と呼んでいるのですが、主人公の「僕」が脳内変換して、「地味なクラスメイト君」とか「秘密を知ってるクラスメイト君」とか「仲良し君」とかに読み替え(聞き替え)てるんですよね。


 桜良は僕の事「地味なクラスメイト」って思ってるだろうなぁって。


 この手法、見た事ないな、アニメとか映画ってどうやって表現してるんだろ??と、またまた興味が湧きまして、DVDで両方見ました。


 まんまでしたね。


「地味なクラスメイト君」って、桜良が普通に呼んでましたね。


 尺も有りますし、難しいよなぁ実際のところ。


 変に納得したのでした。



 兎にも角にも、彼のPRは成功した訳です。


 名前しか分からないのですが、もう何年かしたら、そのうち何処かのサイトで書き始めるかもしれない。


 何となく、そんな予感を感じたのでした。

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