第13話 呪怨の堕天使-死ニタイ……生キキテモ地獄……-
俺は申し訳なく下を向いてると手塚は俺の目の前に立ち言う。
「先生!そんな顔をしないで下さい!」
アレ?全然落ち込んでないし、悲しそうじゃないんだけど、どうしてだ?
「先生!別に私は自分自身の気持ちを伝えただけですわ!だから、気にしないで下さい!では私は戻りますわ!あと冬休みになったら先生のレストランに行きますわ!」
手塚は俺にウィンクしたあとに踵を返して学校の屋上の出入口のドアを開けて去っていく。その時、手塚の目からは涙を流しているとも知らずにいる俺。
「俺も戻るかな?」
一人言を呟きながら俺も屋上から去ることにして、寮に帰ってきてから荷物自体は幸い少なく軽いためリュックサックに入るくらいだったので、俺は両肩に背負ってカンナマリア女子学園の校門へと足を運ぶ。
たった数日だったのに色々と起きたな。
初日から不審者に間違われたり、ファウストの姿を自分のクラスにバレたり。
百合の女の子がいたり、ベリアルに捕まったり、祐司がぶっ倒れるくらい無茶したり。
自分の生徒に思いっきり殴られたり、イジメに立ち向かったり、教室を滅茶苦茶にするくらい戦ったり。
本当の先生じゃないのに自分の生徒達に『ありがとう』って言われて、最後に手塚に俺に告白してくれたり。
何だか色々と忘れられそうに無いな。思い出に浸っていると校門の前には祐司と響也が立っている。
「随分と遅かったじゃん。大翔。」
「大翔君もモテモテですね。」
揃いも揃って。絶対に手塚との会話を見ていただろ?俺は溜め息をつきながら言った。
「はぁ、待たせたな……」
「イヤイヤ~……ねぇ!響也。」
「さほど待っていませんよ。大翔君。」
あ~……やっぱり、俺をおちょくってるよな。絶対におちょくってるやつだわ。
「まぁ、取り敢えず帰るか?」
「そうだね。帰ってから明日は警視総監に報告しないとだからさ。」
「大翔君。明日もお店はまだ、お休みですよね?」
「あぁ、そうだな。」
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