第6話 念術の堕天使-コノ世ノ支配-

「言われなくても、こっちから行ってやるよ!」


再び、突進してハヌマーンに切り込みを掛ける。


「おい!大翔!ったく……」


祐司も俺が後先、考えず突っ込むと思い、制止するが、俺は考えがあって突っ込むんだよ。


「破餌津琉寡摩……波!」


ハヌマーンは真言を唱えた後に波動拳を撃つ。俺は波動拳を喰らい森の中に吹き飛ばされる。


「大翔!ちっ!」


祐司は火の弾丸をハヌマーンに撃ち込んだ。


「無駄ダ!……ン?」


ハヌマーンは避けようとしたが避けずに祐司の火の弾丸を喰らった。


「クッ!」


「何で?避けなかったんだ?」


ハヌマーンも祐司も不思議な顔をしていた。


「よぉ……どうだい足を縛りつけられた感想は?」


俺はさっきハヌマーンの波動拳により吹き飛ばされた森の中から出てきて挑発し祐司はハヌマーンの足元を見ると頷いた。


「なるほどね。」


ハヌマーンの足元には俺が森に吹き飛ばされ、俺の錬金術により水草をハヌマーンに絡みつけて動きを封じた訳だよ。


「クソガ!ダガ俺ニハ波動拳ガ……」


「真言は言わさせねぇよ。祐司、川から上がれ。」


祐司は俺の言われた通り、川から上がり、俺は両手の掌を合わせ両手を川に着ける。


「何ヲ、スル気ダ?!」


「こうするんだよ!」


すると徐々に俺の周りから川が凍りついてきた。そして、ハヌマーンも全身に氷付けにされ、身動きも話す事も出来なくなる。俺は左手首の甲にある剣の刃を構え、ファウストフォンを開きCLEARボタンを押す。


【Left Arm Energy Charge】


ダビデの機械音と同時に右足にエネルギーが溜まり始め、祐司も銃を構えてグリップのCLEARボタンを押す。


【Gun Energy Charge】


マーレの機械音と同時に銃にエネルギーが溜まり始める。


「「終わりだ…ハヌマーン…」」


お互いに言った瞬間に俺は左手首を構えて、ENTERボタンを押す。


【Crusher Open……】


ダビデの機械音と同時に口元から牙が出てくる。


【……Assault Slash】


アサルトスラッシュを発動しエネルギーを溜めた左手をハヌマーンに向かって星形の六角形を描く様に斬り込み、祐司も銃を向けてグリップのENTERボタンを押す。

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