懐かしい歌、好きだった歌②

好きだったけど、聴けなくなっていた歌とかアーティストさんというのがあります。


「甲斐バンド 」もそう。


好きな歌、沢山あるし、今でも好きだったりするし、最近は鼻歌で出てきて、お!大丈夫じゃん!と思ったんですけどね。


『安奈』とか『きんぽうげ』とか

『裏切りの街角』『HERO(ヒーローになる時、それは今)」なんかも。


亡夫とわたしは幼馴染でして、地元は同じですが、大学時代は遠距離恋愛でした。


そうしてそんな遠距離恋愛と長い春を経て彼が戻ってきた時に、歌ってくれたのが

「安奈」でした。

「安奈」の部分を、わたしの名前に変えて。

恥ずかしかったけど、嬉しかったのを覚えています。


漫画家の西原理恵子さん、彼女と亡くなった夫である鴨ちゃんの関係性と、わたし達のそれは、ちょっと似ているかもしれません。


サイバラさんの描かれた「毎日かあさん(カニ母編)」の中に、こんな一節がありました。


「いちど

はなした手は

もいちど

にぎると、かるい。」


「すきだった

ひとを

きらいに

なるのは

むつかしいなぁ。」


「毎日かあさん(カニ母編)」より引用


サイバラさん達は離婚をして、その後に最後の六ヶ月間を復縁して家族として過ごして鴨ちゃんを見送りました。


わたし達は離婚はしませんでした。

でも夫婦間の亀裂は他人には見えないところでかなり深刻でした。

そんな中でのガンの発病。闘病生活でした。

別れずに少なくとも充分な介護とはいえなかったかもしれないけど、最後まで家族として彼を送れたのは良かったと思っています。


甲斐バンドもやっと鼻歌で歌えるようになりました。

「安奈」だって歌っちゃいます(笑)

でも実は歌えても自分から聴くことは、まだ出来ないでいるのです。


きっと最後まで、それは出来ないんじゃないかなと思う。


この歌だけは、今も耳に残る、あの時のあのひとの声でしか聴きたくないような気がして。。。

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