子育て初期

 乳飲み子の座らぬ首を支えつつ

 片手で掻き込む私のごはん



 今夜こそゆっくり寝ると決めたのに

 目覚めてみれば まだ三時間



 コーヒーを飲むより

 そんなひと時を嗜む余裕思い出したい



 すぐそばに転がる天使

 眠る顔ながめていたら時を忘れる



 留守番をまかせて一人街の中

 気づけば子供服ばかり見て



 離乳食 甘口カレー 薄い味

 一人になれば俄然激辛



 端切れと焦げ目と皆の残り物

 ママは特盛 最後に食べる



 親になり失くしたものは若さだけ

 乙女心も夢もまだある



 いつの日か孫を世話する時までは

 覚えていよう日々の戸惑い



 産んだ日の痛みは とうに忘れても

 会えたよろこび今も鮮やか

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