第192話ねこ

 昨日、仕事の帰り道猫に出会った。もうあたりは薄暗くなっていたが、その猫は家に帰るつもりはないのか、じっとこちらを見ている。どうにもふてぶてしい顔だ。こちらもじっと見返してみる。猫とオッサン。二人は対峙して見つめあっている。

 しかし、この状況を客観的に見たらなんなのだろう。ただの不審者にしか見えない。そうはいっても、ガンをつけられた以上こちらも黙ってはいられない。しばし、じっと見つめあうと、猫が一声鳴いた。どうやらオッサンに飽きてきたらしい。ぷいっと身を反転させると車の下に潜り込んだ。ふふ、私の勝ちである。

 猫とのガンのつけあいに勝利した後のお風呂は格別であった。ふぅ~。

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