第156話対話

 近頃、自分自身と対話することがなくなってきた。前は暇さえあれば内なる声と対話していたものだ。日常の雑事でてんてこ舞いな感じで生きていると立ち止まって考えることが少なくなる。それは悩みがなくなることでもあるのだが、なんだかそれもさみしい。

 何かについて深く考察してみたいのだが、その材料が見当たらない。そして日々淡々と過ぎていく。

 深く考えるということはどういうことだろうか。条件反射的に考えたことでも案外まともで的を得ているということもある。時間をかけたからそれに比例してよい考えが浮かぶというものでもない。

 やはり日々自分と対話することで、考察はより洗練されてくるものだろう。

 この場で文章を書くことにより、少しでも自分と対話できればいいのだが。

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