第27話 高鳴る。

君の背中に言葉が吸い込まれた日


それ以上は何も起きなくて、

看病も出来ないまま帰ってきた


君の部屋を出る時も君は背中を向けたままだった


キスの意味なんて聞いたら

嫌われるかもしれない


そう思って

何も聞けなかった


もうこの気持ちごと捨ててしまいたくなる


もう私から君に連絡するのはやめる


君を好きじゃなかった頃の私に戻りたい


そう思いながら

スマホを見ると君からのメール


名前を見るだけで

それだけで

胸は高鳴る


「看病ありがとう」


それだけで

君の名前だけで

胸は高鳴る


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