泡沫の光、泡沫の影。

切り株ねむこ

第1話 さよなら

私は君を追いかけたりはしない。


追いかけると君は逃げるから。


だから、わざと後ろ姿ばかり見せていた。


そうすると君は私のことを

知りたがった。


でも、全部は教えない。


全部を教えると君はつまらない顔をするから。




私は君を追いかけていた。


影の様にバレないように。


後ろ姿は張りぼての様な仮の姿。


私は君の事を沢山知りたかった。

だから、私のひと欠片を差し出した。


すると、君はそのひと欠片より

小さな小さな君の事を教えてくれた。


残念だけど、

初めから始まっていた。


私と君の関係性。


好きって言ったら終わってしまう

そんな私たちだった。












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