第7話初期軍拡
軍拡といっても、2種類ある。
それは、数を増やすか、それとも質を上げるかだ。
もともとは、そのバランスも考えなくてはいけなかった。
なぜなら、魔力というのは結構貴重だったし、質の高いモンスターを作るのには多くの魔力が必要だったが、質の低いモンスターを作るのには、そこまでの魔力はいらなかったのだ。
しかし、その分、死ぬこと前提のモンスターたちなので、人間側にも、大量の人間で来られてしまうと、蘇生が間に合わなくなってしまうといった問題点もあった。
しかし、それでも基本的には、簡単に作れるモンスターのほうが人気だったが、これから先、人間と戦うとなると、数も必要だが、質も必要だろう。
しかし、それを助けてくれるものが現れた。
それが実質無限の魔力だ。
そして、この無限の魔力、時間さえかければ無限だが、今は有限である。
この有限をできるだけ早く無限にするために、ゼアークは2つのうち、質を上げるほうをとった。
なぜなら、このダンジョンがモンスターから魔力を入手できるようになったから。
質の良く無いモンスターに関しては、ほとんど魔力が取れないことが、ダンジョンを調べていくうちにわかった。
そして、そのとれなさというのは、結構多くの数がいる種族でも、種族全体で幹部の1人分よりも魔力が取れていないことが多かった。
ちりも積もればという言葉があるが、ダンジョンの仕組み上、下級モンスターのちりは本当に小さすぎたようだ。
(それに、質のいい魔物をどんどん作って、このダンジョンがどんどん魔力で満たされていけば、質の高いモンスターを大量に作れるようになるかもしれないしな。)
最終的に質の高いモンスターで大軍を作ってしまえばいいのだが、それは結構難しい。
なぜなら、そこそこ質の高い魔物でそれを実行することはできるだろうが、さすがに幹部クラスのモンスターを大量生産となると、結構難しくなってしまうのだ。
それに、幹部クラスに関しては、ゼアーク本人が性格から能力まで基本的なことはすべて決めることになる。
負担的にもそう簡単に大量生産はできないのだ。
(まぁ、適度に質の高いモンスターはしっかりとメイキングしなくても作れるし、しばらくの間は魔力の高くて、質の高いモンスターを作るか。)
もちろん、ダンジョンに魔力が入ってくるときに、個体差があるのは、その個体ごとの魔力量だ。
つまり、魔力の高いモンスターを生成すれば、そのモンスターから手に入る魔力は多くなるということだ。
こうして、やることに決まったゼアークはどんどんと、魔力が高くて、質の高いモンスターをできるだけかぶらないようにしながらも作っていったのだった。
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