第2話プロローグ2
そして今、彼はゲーム内最強の男と呼ばれていた。
彼の傘下に入りたがる魔王は多く、そして、勇者サイドでも、トップの勇者たちが集結して、彼のダンジョンを滅ぼそうとがんばっているところもあった。
しかし、彼にとって、参加の話は正直、どうでも良かった。
このゲームは自身も強化しながら、ダンジョン内に魔物を作って、自分たちのダンジョンを強化しようというものだった。
彼は、ダンジョンの階層を減らすことによって、横に広げていて、結構な広さを取っていた。
彼のダンジョンは、全50階層。
この世界のダンジョンは、全て地下にできているので、結構深いところまでダンジョンが出来ていた。
今のゲームプレイヤーの中では最も多いが、低迷期の前には、ふざけて200階層くらい造っていた人たちもいた。
彼は基本的に1つの階層に1種族。例外なんかもあるが基本的にはこれを貫いていた。
そして、彼のダンジョンでは、階層が低くなればなるほど、敵が強くなっていき、下の方の10階層では、弱いダンジョンだったら、1体だけでダンジョンが滅ぼせるくらいには凶悪な魔物がすんでいた。
そして、中でも一番まずいのは下のほうの3階層。
ここには、製作コストもたかければ、魔力も多く使い、しかも、アイテムも消費しまくらないと作れない。最上位魔物が普通に暮らしている場所があった。
基本的には、位が上がっていけば行くほど、人型に近づいてくるので、人型が多かった。
ただし、もちろん例外があって、最上位だけど、人型ではなかったり、その逆で、竜人(リザードマン)なんかは、弱いが人型である。
しかし、彼が重視したのは下に行けば行くほど強いなので、人型でも弱ければ上層のほうに送られていた。
もちろん上位のほうだけ見て侮るものは少なく、同盟関係を築かないか?という誘いが来ていたが、基本的にこちら側にメリットが無いし、それに、そもそも同盟を作っていなかったので、断っていた。
しかし、それでは他のプレイヤーは怒ったりはしなかった。
怒ったところで、何も出来ないし、それどころか、反撃を食らう恐れすらあったからだ。
そんな事を繰り返しているうちに、彼は、孤高の王なんか呼ばれるようになってしまい、誰からも挑戦されなくなってしまった。
しかも…
「あ、レベル100…」
キャラの成長限界まできてしまった。
そもそも、7年かかってレベル100になるという成長の遅さもおかしいが、それはゲームの仕様で、永遠に成長できるゲームといっていたのに、7年と課金で成長に限界が来てしまった。
「は~。これから、このゲームで何をしよう…」
ダンジョンの中はほぼ、完璧といって良い状態になってしまい、他の人と戦おうにも、一方的な蹂躙になってしまう。
そんな事を思っていると、画面に1つのスクリーンが映し出された。
「レベル100おめでとう?はぁ~。そのせいでやることなくなったんだけど…」
そんな事を良いながら、早くゲーム画面に戻りたかった彼は、確認のボタンを押してしまった。
いや、押したつもりだった。
普段だったら、確認だけだったのに、今回は同意と同意しないに分かれていたことに気がつかなかったのだ。
そんな彼がボタンを押した瞬間、風景は一変していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます