ぬめりけ

新種の妖怪である

肌を湿らせ

心を熱くし

服が重い

妖怪ぬめりけ

手で撫で上げると

じっとり粘着く

気持ちが悪い

この妖怪を退治する為の金は

たいへん、たいへん、もったいない

薬品と香水のにおいがする商店に入り

妖怪ぬめりけを閉じ込めた袋を買うのだ

そうして、毒には毒を

袋から出てきた布は、肌を発火したようだ

すぅ、すぅ、して少し気持ちが悪い

だが妖怪ぬめりけは居なくなる

そう、いなくなる

この袋も妖怪も、もうすぐいなくなる

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