最後のセンター試験だったので当時の話を
センター試験がなくなるということで。嬾隗が受けたときの話をしよう。
その前に、センター試験の模試のときの話をしよう。これはしばらく友達との話の種になった。
12月末の模試。ほぼ本番に近いもので、リスニングも実際の機器を使うものだった。そのリスニングのときに事件は起きた。
問題1を解いたぐらいで、イヤホンが書いてるときに鉛筆に引っ掛かって機器が床に落ちた。耳少し持ってかれた。痛かった。それだけならいい。この機器は弱くて、落としたら動作しなくなる。つまり、試験官に報告して交換してもらう必要があった。ここまではまだいい。このあとだ。
嬾隗はまっすぐ腕を上げた。試験官を呼ぶためだ。ただ、他の人に迷惑になると思い、声は出さなかった。それがいけなかった。試験官は気付かなかったのだ。そして、こちらを一切見ていなかった。見る気もなさそうだった。そして。教室を出ていった。
『えええええ!?』
心の中で絶叫した。試験官はリスニングの時間が終わるまで帰って来なかった。どうしようもなかった。仕方ないので、隣の人が書いた音が聞こえたタイミングで勘でマークした。
終わったあと、斜め後ろにいた友達が、「面白すぎて集中できなかった」とか言ってた。そりゃ当事者じゃなかったら面白いよ。当事者だから面白くもなんともないよ。大学で試験を受けたんだけど、ここの大学行きたくないと思ったね。志望一位だったんだけど。
ちなみに、斜め後ろの友達より点数は良かった。なんでだ。
さて、本番の話をしよう。会場は同じ。でも、もうその大学に対する熱は冷めてて、どうでもよくなってた。だから、見つからないように不正してやろうかなぁ、とか考えてた。
突然だが、目がいいのに眼鏡をかけている人を想像して欲しい。つまりだて眼鏡だ。嬾隗の場合は普通に悪いから眼鏡かけてるけど、そこまで悪いわけではないので、そこそこ見える。
でだ。眼鏡は、正面の視力を矯正するもので、横、上、下はそうでもない。眼鏡からはみ出した部分は地の視力だ。嬾隗はそこまで地の視力が悪くない。もうお分かりだろう。
カンニングした。
横の人の答案を眼鏡の隙間から横目で見た。ちょっと見えないときは、自分の用紙をわざと少し斜めにして、体を傾けて見た。これに全精力を使用した。バレなかった。
結果はまあまあだった。隣の人、そこそこ頭良かったみたい。
ちなみに、見つかってたら不味かった。なんせすでに短大合格してたから。あと、センター試験の結果を使って受ける大学もその印象が悪い大学だけだったし、どうでもよかった。
長くなってしまった。まあ、これが世に知れたらホームレスまっしぐらなので広めないでくれ。以上。
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