第74話【自動販売機】

 砂漠に取り残された男は無一文だった。


 喉が渇き死の淵にさ迷っていた頃、突然頭の中で声何かのが聞こえた。


 ――――『汝の願いを一つだけ叶えてやろう』


『なら、家に帰してくれ』


 ――――『それは不可能だ。生物の移動は禁じ手とされている』


『なら、喉が乾いたんだ……。何か出してくれ……出来れば沢山飲める奴を……』


 ――――〝よかろう。沢山飲むといい〟


 懇願した男の目の前には、数十台の自動販売機が現れました。


 男は再び絶望する事に。

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