アネクメネ

獺野志代

パウロ

長い、それも半世紀飛び越えるくらい長い長い夢を見ていた気がする。


今は何時何分何秒で、地球が何回回った時なの?


雨の匂いがする。

短命なセミが憂う。

空気の凍てつく音がする。


「11月29日」


誰かがそう教えてくれた。

他人を介した言葉に信憑性なんかまるでない。

けれど、自分の発言の何倍も安心感がある。


幸い、夢ボケは終わらない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る