習慣と感謝

 霊感の強い人のそばにいると、強くなる――


 よく聞く話だ。伝染するとかではなく、これにはきちんとした理由がある。

 こんな例えを使ってみよう。


 英語を話せるようになりたい。効果的な方法は、英語を話す人と話をする、である。


 これと同じで、見えないものが見える人のそばにいれば、自然とその世界に近くなり、習慣化する。従って、霊感は磨かれ、強くなる。私も実際、霊感の強い人がそばにいた過去があり、その時に開眼している。


 眠りに落ちる寸前によく見えるようになる――


 これもよく聞く話だ。眠ることによって、この世界――肉体から解き放たれたようになる。しかし、完全に眠ってしまうと意識がなくなる。そのため、寸前ということだ。


 まだ開眼していない頃で、こんな話があった。十二年も飼っていた猫が老衰で亡くなりそうなある晩、夜中に目がふと覚めたが、ウトウトしている状態だった。すると、部屋の窓ガラスが割れてしまうほど、外からどんどんと叩かれたのである。


 私はその時何かわからなかった。気のせいかとも思った。しかし、猫が心配で、明け方起きたが、すでに天に昇ったあとだった。おそらく、窓を叩いたのは、成仏前の猫だったのだろうと気づいた。


 開眼へと続く階段は直接この方法で登った。


 神様は一体どこに住んでいるのか。ということを考えた時、地上と答える人もいるかと思う。神社などにいるということだろう。


 しかし、様々な惑星にいるという考え方もあるということを学んだ。天照大神あまてらすおおみかみだとしたら太陽、閻魔えんま大王なら土星というようにだ。


 そういうことで、銀河系の惑星に意識を飛ばして、そこにいる神様に一日の始まりの挨拶と感謝、そして祈りを捧げるようになった。最初は見えなかった。


 だが、半年も続けた頃、見えるようになった。神様たちはとても優しくて、わざわざ訪れた人間が珍しく、お茶をご馳走してくださったり、話を聞かせてくださったりと、朝の楽しい習慣となった。


 今振り返っても、感謝と習慣化はとても大切なことだ。現実に目を奪われて、霊界を見ることをやめていると、私でも見えなくなることはよくある。


 そんな時はたいてい、人は視野が狭くなっているものだ。生きているのは自分の力で、頑張って働いているからお金が入ってくるのだと思うようになる。


 神様がいるから、人間は無事に生きているのであって、お金も与えていただいているのである。


 霊感も決して自身が優れている人間だからではなく、特別扱いされているわけでもなく、神様が何らかの理由があって、見せてくださっているのだ。


 この気持ちは決して忘れてはいけないだろう。


 見えるようになった私は大人の神様ではなく、その子供が見えるところに霊感の周波数が合い、心がとても澄んでいる彼らに囲まれて、様々なことを学んだ。


 ある時、こんな話があった。


「嫌い」


 という言葉を、子供たちに伝えると、彼らは首を傾げて、


「キライって何?」


 と聞き返された。本当に知らない言葉のようで、私はこう説明した。


「好きの反対だよ」

「それって、普通だよね」


 神様の世界には、マイナス、いわゆるネガティブなものが何もない。それが心が澄んでいるということなのだと学んでから、私もこの言葉は使わなくなった。


 神聖な彼らのお陰で、霊能者にありがちな悪霊が寄ってくることもなく、比較的怖い思いをせず、スピリチュアルな世界へ入れた方だろう。


 その後、あることがきっかけで、大人の神様の姿が見える周波数にも合うようになり、今では朝起きて挨拶をし、食事を共にして、話をして、時間が許す限りは神様と過ごしている。


 実家の奥の部屋にいたのは、私が生まれる前に、病気で亡くなった父の奥さんだった。なぜそこにいたのかと聞くと、家のことが心配だったという優しさであった。私のことを見守っていたから、視線を感じたのである。話を聞くと、彼女は無事に成仏していった。


 そうして、飼い猫とも感動の再会をした。霊界では、動物も人間と同じように言葉を話す。人懐っこく、こんなことを言ってきた。


あねさん、お久しぶりやす。あっしは嬉しくて、涙ちょちょぎれるっす」


 話してみないとわからないものだ、その人となり、いや猫となりは。やけに江戸前口調の熱いやつだったのである。


 霊感を磨くという方法は一度はどこかで読んだことがあるだろう。しかし、感覚的な内容が多く、いまいちわからないという方のために朗報だ。次は、霊感とは具体的に、体のどの部分を使っているのかの話をしよう。

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