プロローグ5

光がやがて収まっていく。


手を見てみる。なにも変化がない。

足を見てみる。なにも変化がない。


特に見た目の変化が感じられない。

不思議に思い聞いてみる。


『なんかこれ変わったのか?』


「いえ特に見た目は変わらないですよ。ただ、変わりたいと思えば見た目だけなら基本的になんにでも変われますよ。サイズが似たようなものに限りますがね。」


『ほう』


試しにプロールに変化してみる。


グニャグニャグニャ

ウネウネウネウネ

グニャグニャグニャグニャ


見た目がプロールになったはず。


「鉄心さん、ほらこれ見てください。」


どこから持ってきたかわからない大きな姿鏡を見る。


『本当に変わってやがる‥すげえな‥ははっ‥』


思わずニヤついてしまう。


色々変化を試してみた。

人型なら基本的になんでも変化できるが、あまり複雑なモノ(車やテレビ)などは無理だ。

また、犬など大型の人型サイズに近いモノなどは問題なく変化できた。見た目だけなら小型犬くらい変われるが大きさは無理だった。


『こいつの他の能力はないのか?具体的に』


「そうですねー、基本的に物理的な攻撃が効かないことですね。攻撃に関しては、自分の体を硬質化すれば刃などになるので武器を持たなくていいことですかね。また、液体上になっていれば、隙間さえあればどんなところにも潜入できますよ」


『ふむ。デメリットはあるのか?』 


『もちろんありますよ。まあ一番は、魔法が使えないことですかね!』


『はぁ?魔法が使えないだと?』


せっかく剣と魔法の世界に行くことになったのに使えないだと、これはいじめなのか?


「はい、使えません。まあそれだけの能力の対価ってことですよ」


『わかった…』


内心、かなりショックだ。魔法使いたかったな‥



ショックを受けている場合じゃない。

まだまだ疑問はたくさんある。


『魔法は食らっても平気なのか?』


「今のところだと、魔法をうけたら即死しますね」


おいおい、弱点魔法の完全物理特化脳筋野郎じゃねえか。


『そもそも魔法って避けれるのか?』


「あなたの身体能力だと光や雷系の魔法以外は避けられると思いますよ。でも安心してください。あなたには金属を取り込む能力があるのです。それを使って、ある鉱石を取り込めば魔法にもある程度は耐性ができるかと」


なるほど、異世界での最初の目的はそれだな。


『その鉱石はなんなんだ?』


「それは、アダマンタイトですよ」


聞いたことあるな、漫画やアニメでだが。

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