Dragonewt
玖羅覇士 極
プロローグ
青年達は、ただ目の前の光景に息を飲んだ。
炎の様に輝く光はまるで踊る様に暗闇を照らし見ている人を魅了する。
松明も無く星々や月の輝きが届かぬこの暗闇でこれ程までの光を発する根源の前に一人の少女が両手を振るい、まるで音楽隊の指揮者さながらに動かし散らばる光を誘導していく。
少女が右に手を振るえば光は右へ。
少女が左に手を振るえば光は左へ。
小さな破裂音を響かせ少しずつ光は集結しやがて一本の筋へと姿を変えた。
暗闇全体に広がる筋は細長く軽く掴めば潰れてしまう程に儚い輝きへと変わったが、その途中、豆粒程の大きさの光が存在を主張するように赤く輝いて今にも破裂しそうな危うさを現わしていた。
少女はゆっくりと歪に膨らむ輝きへと歩み青年達の横を静かに通り過ぎていく。
誰も声を発する事は出来なかった。
ただ事の成り行きを見守るだけで精一杯だった。
そして少女は手を伸ばし―――――――
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