不穏な空気

 一方、文化系の吹奏楽部でも新入生歓迎コンサートの準備をしているのであるが、部室では不穏な空気が流れていた。三日月モモと玉木がにらみ合っている。


「なんで、あたしがはずされるのよ!」

「昨日、サボったからだ」

「昨日だけじゃない!おとといまであたしが木琴パートでやるってことで練習してたじゃない。それをなんで?!」

「お前の代わりなんていくらでもいるから。別にいいよ」

「ちょっと、その言い方ひどくない!ねぇみんな」


 他の部員の同意を求めようとしたモモであるが、あたりを見回すと同調することなくモモに冷たい視線を送っていた。


「なによ、その目は!もういいよ!もう……」


 モモは目に涙を浮かべ、部室をそして学校を飛び出していった。勧誘合戦で人だかりができていたため、安永もしげるもモモが学校を飛び出していったことに気づかなかった。

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