閑寂街

閑古鳥が鳴いている


蛙たちの合唱が聴こえる


きりぎりすの唄が響く



遠い空で 茜色が失われた


薄暗い空は澱んでいて


星々の位置を知らずにいた


朧月がただ一つの灯り



眠りについた


黒く塗りつぶされた木々たち


湿気た匂い


風に運ばれてきた



音を立ててはいけない


みんなが 眠っているから


だれも起こさないように


静かに歩く 閑寂街



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