死にゆく夏に餞を

夏が終わる



水気を含んだ大気が大地を這う



蒸れたアスファルトの道



耳を潰さんばかりに 求愛し続けた虫たちは



早すぎるおしまいに掻き消えた



風が雨を呼ぶ



雨が雷を誘う



鳴り響く嵐は ごうごうと



雲が霞む



草花が泣いている



夜が次第に増えていく



黄昏が次第に早くなる



昼が次第に減っていく



朝が次第に遅くなる



夏は老いてしまった



間もなく 長き眠りにつくだろう



新しい始まりに 過去を託して




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