美人な先輩から期間限定で恋人になってほしいと告白されたけれど。お断りさせていただきます。

ここです。

第01話 屋上で待ち合わせ。



 高校生になり早くも2学期が始まるそんな時期、この高校で有名? な2年生相楽 美樹【さがら みき】先輩に、放課後呼び出されることになった俺 山口 蒼汰【やまぐち そうた】。相楽先輩が有名? と言っても俺にはよくわからない。周りがあーだこーだ言ってるのを聞いただけで。見た目が美人、それくらいしか知らないわけで。はっきりいって俺は興味なしなわけだ。


 そんなまったく繋がりのない俺を呼び出して何がしたいのか……まあ、ひとつだけ思い当たることがあるのだけれど。


 俺の友達に……と言っても友達ひとりしか居ないわけなんだけどね。斎藤 圭佑【さいとう けいすけ】ってのがいるわけなんだが、学校がずっと同じなもんでなんだかんだ小さい頃から知ってるせいかよく圭佑から声をかけられるようになりつるむようになったわけだけど。まあ、腐れ縁になっちまった感じかな。


 まあ、そいつがイケメンでモテるモテる。おかげで知り合いでもないのに女性からよく声をかけられるのなんの。俺には関係ないことで……。圭佑についていろいろと聞きに来るわけで。おかげで友達とか欲しいと思うことが無くなる原因にもなってしまった。だってさ、全く知らない人に声かけられて、俺の話題じゃないこと聞かれて、満足したらバイバーーーイってされること何百回? 人間不信にならないわけ無いだろ。俺と話す話題は圭佑のことだけなのかと、俺は圭佑のお付きじゃないって。ただ、間違っちゃいけないのは圭佑が悪いわけじゃないってこと。だから、圭佑を恨んじゃいないよ?


 まあ、相楽先輩もその中のひとりなのかねとか思いながらも先輩の呼び出しなわけで屋上へと来ているわけだ。


 目の前に相楽先輩ともうひとり……よく知らない人がいるけれど。まあどうでもいい。さっさと終わらせて帰りたい。そんなことを思いながら先に来ていた相楽先輩を待たせたかもしれないわけで、とりあえず相楽先輩に、


「おまたせしてすいません、相楽先輩」


と、一言謝罪を入れておく。


「いえいえ、こちらがお呼びしたわけで忙しいところ申し訳ございません。山口さん」


 相楽先輩に逆に畏まられてしまった。ほう、名前をきちんと憶えてたんだと少し感心した俺。結構名前憶えてもらえないのよ。圭佑くんの友達だよね? とか言われること多数。聞きたいこと聞きに来るくせにそれくらい憶えてほしい、切実に。


 まあ、いろいろと会話してもどうせこの場限りだと思いさっさと終わらしてしまうかと、まずは俺から話をさせてもらうことにする。


「えーと、呼び出し受けたわけなんですけど相楽先輩も圭佑のことですかね? 聞きたいこと何ですかね? 好きなもの? 趣味? デートコースとか? 流石にデートコースはわかんないですがね」


 俺は一気に捲し立てる。


「ちょっと待て、何を言ってるかよくわからん。だから少し待て」


 相楽先輩の隣りにいたショートカットで少し男っぽい感じだけれど綺麗な人が話を止める。相楽先輩はびっくりしているようで、すこし固まってしまってるそんな感じがしてしまった。


「美樹を1人で行かせなくてよかったよ」


 そんなことをぽつりと言った後、隣の人が続けて話す。


「圭佑って人のことはよくわからないが……ちょっと待ってくれ。まずはこちらの自己紹介をさせてくれ。私は、美樹の……君を呼び出した相楽 美樹の友人の遠藤 千夏【えんどう ちなつ】2年生だ。で、となりで驚いてるのが相楽 美樹だ。学年は一緒。まあ、美樹のことは知ってるんじゃないかなと思うが」


 とりあえず自己紹介をされたので、


「なんかびっくりさせてすいません。大概、女性の人が俺に話があるって声かけられるのって圭佑、あっ俺の友人なんですけどね。圭佑のことを聞きたいがためってことばかりなもんで。えっと俺は山口 蒼汰です」


 俺もしておかないといけないかなと自己紹介をしておいた。


「で……だ。呼び出した理由なんだがそれは美樹に話をさせるから。私は友人の付添いで来ただけだからな。美樹、ちゃんと伝えなさいよ」


 遠藤先輩から相楽先輩へとバトンタッチ。


「えっと相楽 美樹です。今日は圭佑くん? ごめんなさい、私も知らなくて。その方じゃなく山口さんにお話があってお呼び出しさせて頂きました。お話させて頂いてもよろしいですか? 」


 相楽先輩はすこし頭をかしげて俺に言う。うん、たしかに綺麗な人だね。長い黒髪にパッチリとした目、小さなお口、スタイルもスラッとしていて。見てる分には眼福かもしれない。


 いかん、話がそれた。ちゃんと聞くことにしよう。めずらしく圭佑のことじゃないようだしな。


「はい、何でしょうか? 」


 俺はそう言い相楽先輩の話を聞くことにした。

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