第18話 ぽっぽ君の好きなもの。

哀れな飼いひよこであるぽっぽ君は、科学公園の噴水で、こーちゃんと追いかけっこしている。さ、捕まえたぞ!次はどこに行きたい?ぽっぽはファンタジーキッズリゾートに行きたい。ダメ?ファンタジーキッズリゾートとは室内遊園地のことだ。いいけど君、大型スライダーとか、前怖くて滑らなかったではないか?ぽっぽはトランポリンがいい。あとフォトスタジオでお着替えして、こーちゃんと写真を撮りたいな。今日のイベントは何かな?君のお誕生日会だよ。みんなが祝ってくれるぞ!ぽっぽにはお誕生日なんてない!えーんえーん。いいから君のお友達のチャボ君も来るから楽しみになさい。チャボ君は小型で可憐なニワトリで、飼いひよこであるぽっぽ君より年上だ。飼い主は1日ごとに美味しいご飯と、不味いご飯を、繰り返し食べさせているらしい。飼い主は看護師で、きちんと栄養バランスを整えるためにそうしているらしい。こんにちは!ぽっぽ君!さ、チャボも挨拶なさい。ポホポポポポコッコケー!何して遊ぶ?

そのチャボもまた、ぽっぽ君と同じ愛玩物なのだ。チャボ君は小型ではあるが、ぽっぽ君と違い、大人の姿をしている。二人は追いかけっこをする。どちらがご主人様の元に先に着くか勝負だポポポ。ぽっぽ君は必死に走りこけてしまう。えーんえーん。チャボ君は、そんなぽっぽ君をくちばしで、起こしてあげる。飼い主の看護師はチャボ君を肩に乗せる。こーちゃんは、ぽっぽ君を抱っこする。じゃあ次は、どちらが僕たちに懐いているか、勝負でもしますか。と看護師。チャボ君はそんな話は聞きもせず、保護用の麦わら帽子を被って、室内遊具のスプリング遊具に夢中だ。ぽっぽもあれやりたい。チャボ君、君は大人なんだからいい加減になさいと看護師。ポホポポポポ、チャボは麦わらの◯フィ!海賊王に俺はなる!チャボ君、君は女の子なんだから、そういうホモソーシャルみたいなことはやめなさい。チャボもご主人様みたく、鉄を叩き壊せるぐらいの力が欲しいです。ちょっとお薬増やそうかチャボ君。ご主人様それはやめてください。いい加減弟子入りさせて下さいポホポポポポ、なんでもするから、とチャボ君。チャボ君は看護師のご主人様に1秒ごとに距離を詰めていく。

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