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第1489話 初めての魔物を探して森を進みました
第1489話 初めての魔物を探して森を進みました
晩ご飯にする魔物を狩るため森の中を歩いて進むのは、レオやフェン、リルルと中庭にいたフェンリル達の他に、フェリーとフェルもいる。
フェリーの背中には案内役のハンネスさんが乗り、フェルにはシェリーとライラさんが乗っている。
フェンが自分の方にシェリーが乗らなくて、不満そうだったけど……まぁシェリーには後で、フェンに甘えるようクレアから言ってもらおう。
「リーザ、もう一度念を押しておくけど……もし魔物を見つけても、フェンリル達に任せるんだぞ?」
「うー、リーザも一緒に戦いたかったなぁ」
「初めて見る魔物だし、危ない事はしないって約束だからな」
今回狩る目的の魔物は二種類。
それぞれハンネスさんやヘレーナさんに聞いた話では、オークとそう大差ない強さらしいけど、それでも初めて見る魔物だからな。
リーザはやる気満々で、愛用のグルカナイフを持ち出していたし、そのまま持って来ているけど、使用はなしでレオに乗っておいてもらう。
俺もレオも、今回はフェンリルに全部任せるつもりだ……レオもリーザと同じく、ちょっと不満そうだったけど。
テオ君とオーリエちゃんを乗せたフェンとリルルにも、俺達と同じく危険を避けるために魔物へは向かわないよう言い含めてある。
基本的に、魔物を狩るのは近衛護衛さんを一人ずつ乗せているフェンリル達、六体だ。
フェリーも、ハンネスさんを乗せているし、フェルは移動してきて多少なりとも疲労がある事と、ライラさんとシェリーを乗せているからな。
それから、レオや俺もそうだけど、フェンリル達を含む全員に感覚強化の薬草を食べてもらっている。
森の中は木々の間隔が広いため、フェンリルの森よりは明るいけど魔物を目標にしているため、早めに察知したいからな。
ただし、視覚強化の薬草は食べていない……まだ昼過ぎだし、森の中でも明るいから必要ないだろう。
「ハンネスさん、あっちですか?」
「えぇ。そちらに行った先で、よくニグレオスオークが見つかります。おそらく、もっと奥の方に集団でいるのでしょう」
「わかりました。レオ、フェリー、あっちに向かってくれ!」
レオの横を歩くフェリーに乗ったハンネスさんに聞きながら、ニグレオスオークという魔物が発見される事の多い場所へと向かう。
これまで通ってきた場所でも、見かける事があったみたいだから、さっきレオに聞いたりもしたんだけど……ハンネスさんが言う場所では、定期的に発見されているんだとか。
何か、寄せ付ける物や居心地がいい場所、という事なのかもしれない。
そのニグレオスオーク……早い話が、フェンリルの森などでよく見かけたオークの別種らしい。
ハンネスさんに聞いた話では、通常のオークより多い体毛で覆われていて、肌や毛の色は緑で保護色っぽくなっているとか。
そのニグレオスオークは、何故かオークなどと違って倒して捌いた肉は黒いのだとか。
黒い肉なんて、想像すると食欲をなくしそうになってしまうが、実はかなり美味との事だ。
オークだから豚肉だとして、黒いと言われて思い浮かんだのは黒豚だけど……あれは、体表が黒いだけで肉としての見た目は他と同じはずだから、違う。
ともあれ、その日のうちに森に入る事になってちょっとだけ後悔したけど、美味しいハンバーグのため、フェンリル達に喜んでもらうために頑張ろう。
……頑張るのは、魔物を狩る役目のフェンリルだし、調理をする準備を整えたうえで手ぐすね引いて待っていると言っていた、ヘレーナさん達料理人さんだけどな。
ちなみに狩る目的の魔物は二種類で、ニグレオスオークの他にもう一種類いるけど、そちらはまた後でだ。
ハンネスさん曰く、ニグレオスオークのいそうな場所の方が村から近いとの事で、先にそちらへ向かっている。
「この辺りは、さっきまでと比べて少し木々が密集していますね」
「森の奥は魔物もいて、危険があるためあまり深くまではこないのですよ」
森の中なので、走らず歩くレオ達に乗って周囲を見渡す余裕がある。
森に入ってすぐは、ブレイユ村近くの森と同じように、木を切り倒した後の切り株などがそこかしこに見られたけど、奥へと進むごとに見かけなくなっていった。
やっぱり、魔物がいる事が多いから伐採するにしても、比較的安全な森の入り口付近でやるのは当然か。
ましてや、ニグレオスオークをよく見かけるという場所に向かっているんだからな。
「もし魔物を見た場合は、これまでどうしていたんですか?」
「オークなどが一体程度であれば、村の者達が複数集まってなんとかですね……」
以前、大量のオークに襲われたランジ村だけど、林業で生計を立ててワインを作るための樽も製作しているから、森の中に入る。
その時魔物を発見したらどうしているのか、ちょっと気になったので聞いてみると、倒せそうであれば細心の注意を払って複数人で倒す。
危険な魔物であれば逃げて、通り過ぎるのを待つのだとか。
木を伐採するために森へと入る事が多いんだから、もちろん斧などの武器になる物を持っているわけで、ちゃんとした戦うための訓練を受けていなくても、オークならなんとか集団でかかれば倒せるか。
トロルドまでになると、話しは別だろうけど。
「これからは、できればフェンリル達と一緒に入ってもらうのもいいかもしれませんね。フェリー達も、村の人達と一緒なら奥の方まで行かないでしょうし」
ここではないけど、森に棲んでいたからフェンリル達も入りたがるだろうし、今も歩いているだけなのに楽しそうだからな。
村の人達と一緒であれば、無理に奥まで行ってしまう心配も少ないし、村の人達の危険もかなり減らしてくれるはずだ。
「……よろしいのでしょうか?」
「ん、何がですか?」
「いえその、私達がフェンリルを頼りにしても……」
「もちろん、構いませんよ。――な、フェリー?」
「グルゥ!」
不安そうに窺うハンネスさんは、自分達がフェンリルにお願いをしたり、守ってもらったりしてもいいのだろうか? と考えているみたいだ。
大丈夫だと頷き、フェリーにも声を掛けると力強く頷いてくれた。
さすが群れのリーダー、頼りになるな――。
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