【大感謝!520万PV突破!】異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました~最強と言われるシルバーフェンリルと俺がギフトで異世界暮らしを始めたら~【Web版】
第809話 フェリーからフェンリル情報を聞きました
第809話 フェリーからフェンリル情報を聞きました
「グルルゥ……グル、グルゥ」
「ワフ。ワウワウ、ワフー、ワウ」
「ふむふむ、成る程……そりゃそうか……」
レオの通訳によると、さすがに数十年前の事となるとわからないらしい。
場所も、フェリー達の群れが縄張りにしている場所から、かなり離れているようなので、俺やデリアさんの予想通りに拘わりがないだろうと思われる、との事だった。
ほぼ駄目で元々、何かの情報が得られればと思ったけど、そんなに都合のいい事はなかったみたいだな。
「グルゥ……グルルルゥ。グル、グル」
「ワフ?」
「グルゥ」
「フェリーは、なんて言ったんだ?」
「ワウ、ワフワフーワウーワーウ」
少し考えるようにしたフェリーが何かを伝え始め、レオが一度聞き返したようだけど……他にいるのか? と聞いているみたいだな。
えっと、レオの通訳は……フェンリルの森には、別の群れがあるからそちらが関係しているのかもしれない……という事か。
森は広いから、別のフェンリル達の群れがいくつかあり、それぞれ別の場所で暮らしているようだ。
お互い縄張りなどで争わないように、距離を離して森に棲んでいるので、別の群れが何をしてるかまではわからないという事らしい。
「グルッ! グルルゥ、グル、グルゥグルゥ」
俺から獣人と聞いたので、もしかしたら別の群れのフェンリルが拘わっているかもしれない、と言っているようだ。
なんでも、獣人はやっぱりフェンリルにとっても特別に思える存在らしく、フェンリル側から襲う事はないし、獣人の赤ん坊をというのであれば、もしかしたら魔物に襲われているのを助けた、とかではないかと……。
いくらフェンリルと言えど、何かを守ろうとか助けようとした際に、他の魔物から怪我をさせられる事があってもおかしくないので、俺から聞いた話やフェンリルが助けたのかもという予想は、あり得るかもという事だ。
つまり、デリアさんを見つけた木こりの男性の話であった、フェンリルが横たわっていたり、よろよろと歩いていたのはやっぱり怪我をしていた可能性が高いというわけだな。
そして、その怪我はデリアさん……もしくはデリアさんの家族が何らかの理由で森に入っており、魔物に襲われているのを助けたと……確証はないが、その可能性はあるという事か。
フェンリルがわざわざ怪我を負ってまで、獣人を助けに入るというのは、思っていたよりも特別な存在と考えているみたいだな……まぁ、レオがいるからと言っても、リーザが名付けた名前を簡単に受け入れている事からも、少しは想像できるかもな。
「勉強を終わらせました……って、フェリー達がいます!」
「キャゥ!」
「ガウー」
「ガウゥ」
「キィー!」
フェリーとの話を終える頃合いを見計らったかのように、ティルラちゃんが裏庭にやってきた……おそらく昼食までの間にラーレやレオと触れ合うためだろうけど、フェリー達が来ているのを知らなかったので、驚いて大きな声を上げていた。
フェリー達が来た時、ティルラちゃんは既に勉強を始めていた頃だったからな……集中を途切れさせないよう、来ている事を伝えていなかったんだろう。
ラーレは翼をばっさばっさと動かして、なんとなくお疲れ様とか言っているような雰囲気だな。
「お手伝いできたよー! あ、ティルラお姉ちゃん」
「リーザちゃん。フェンやリルルだけじゃなく、フェリーもいるんですね」
さらに、厨房のお手伝いを終えたリーザがティルラちゃんと合流し、シェリーを交えてフェンやリルルの所でじゃれ合い始める。
ラーレも一緒に参加していたけど、フェリーとレオは別で何やら森のフェンリルに関して話を聞いているようだ……レオがシルバーフェンリルだからって、なんでも知っているわけではないのは当然の事だけど、フェンリルの事に興味があるのだろうか?
まぁ、駅馬の話をしている時、フェンリル達にと提案したのがレオだから、積極的に拘わるつもりなのかもしれないな。
「おや、ティルラお嬢様も来ておられましたか」
「セバスチャンさん」
リーザに少しだけ遅れて、厨房から戻ってきたセバスチャンさんは、フェン達と遊んでいるティルラちゃんを見て目を細める。
年齢的な事はさておいて、セバスチャンさんとしても無邪気に遊ぶティルラちゃんは、微笑ましく見えるのだろう。
ちなみに、コッカーとトリースは初めて大人のフェンリルを見て、屋敷に連れて来られた時のように怯えていたけど、ラーレやティルラちゃん、リーザが間に入ってくれたので大丈夫そうだ。
……フェンが舌なめずりをしていたのは、見なかった事にしておこう……もし襲い掛かったりしたら、レオに怒られるからな?
「時間があったので、フェリーから話を聞いたんですけど……」
「ほぉ……」
セバスチャンさんに、フェリーから聞いたデリアさんに関する話しをして、別のフェンリルの群れか何かが拘わっている可能性があるかもしれない、と伝える。
その中で、デリアさんの事を説明できなかった事に気付いて、少し肩を落としていたけど……これからいっぱい説明する事があるはずだから、気を落とさないで欲しい。
駅馬の事とか、フェリー達に話して協力できるかを聞く前に、どういう事をするのかを説明しないといけないからな。
その時の説明は、セバスチャンさんにお任せだ――。
セバスチャンさんへの説明中に、クレアも来て話しているうちに使用人さん達がてきぱきと用意してくれて、昼食の時間。
レオはともかく、フェリー達はテーブルではなく地面にハンバーグが積まれたお皿を置いて、顔を突っ込むくらいの勢いで食べている。
以前もそうだったが、本当に気に入ってくれているみたいだ。
「リーザも、少しずつ上手くなっていっているなぁ……」
「えへへ、でしょー?」
「ハグハグハグ……ワウ? ワフ!」
俺達の昼食ももちろん、ヘレーナさんや料理人さんが大量に作ってくれたハンバーグだが、俺やクレア、ティルラちゃんが食べている物とレオが食べている物の一部は、リーザが手伝って作ったハンバーグだ。
まぁ、俺達のはハンバーガーにもなっているけど。
何度も手伝っているうちに慣れたのか、以前よりもしっかり形が整っているハンバーグで、嬉しそうにしているリーザを褒める……とはいえ、さすがにまだヘレーナさん達料理人さんの作った物と比べると若干歪だが、そこはご愛嬌と言ったところだな。
レオは夢中で食べていたが、ハンバーグから顔を上げて首を傾げた後、俺がリーザを褒めている事に気付いて、便乗するようにリーザに向かって鳴いていた――。
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