第26話好きだったんだもん
今日は私の親友優希奈の元彼鷹本夕の結婚式。なんか披露宴って感じじゃない。ここは立食パーティーかよ。つーかあれが夕の結婚相手かよ。ブスじゃん。私の方が何倍可愛いじゃん。
私の名前は秋野夢。でも本名は西園姫華。
世界的にも有名な大財閥で夕の手術費用を負担したあの西園財閥の一人娘。正確に言えば私は父と父の愛人との子なんだけど。
私の母が亡くなり身寄りが無かった私を父が跡継ぎとして引き取った。私が愛人との子というのは父の本妻も知っていた。
私は西園財閥の一人娘になってから名前も変えた。まぁ学校では今まで通り秋野夢でいたけどね。
今日の結婚式彼の隣には私がいるはずだった。
私は彼を愛してる。彼を幸せに出来るのは私だけなのにどうして私を見てくれないの?
私は小さい頃から剣道をやっていた。小学3年の時に大会で彼に会って恋に落ちた。それ以来大会で会う度に彼を自然と目で追っていた。でも彼は私に気づいてくれない。そんな生活が何年も続き中2の時に母の仕事の都合で転校した。
転校した先で一番最初に仲良くなったのは優希奈だった。共通の趣味があった。それはアニメ鑑賞。優希奈とはほんとに気があって好きなアニメに好きなアニメキャラクター、好きなアニソンどこまでも一緒だった。
今じゃ親友なんて言ってるけど私は思ってない。優希奈が夕と付き合い始めたあの日から優希奈は私の親友じゃなくなったの。
私の彼をとった優希奈を許さない。
許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。
彼を愛していいのはこの私だけなのに。
歪んだ感情が私は支配し始めた頃うちに優希奈がやってきた。鷹本夕の手術費用を負担して欲しいって言ってきた。
馬鹿じゃないの?金なんてだすわけないじゃんって思った。でもこれは使えるってひらめいちゃった。
だって夕が巻き込まれたっていう事故あれ車運転してたのママだから。ママはその事故で死んだ。そして私は西園財閥に引き取られた。ママも別にわざと事故ったわけじゃないけどここで役に立つなんてね。だから手術費用を負担する代わりに優希奈には夕と別れてもらおう。夕は手術を受けられるし手術費用を負担して欲しいって頼んだのは私だって言って夕に近づけば夕は私に感謝するはず。そうすれば彼の心は私のものよ。
でもしばらくしたら夕よりもっといい人見つけちゃってさ。財閥のパーティーで知り合った人で今彼なんだけどだから夕は要らなくなったの。でも昨日その彼に振られた。やっぱり私には夕しかいない。だからあの花っていう女も潰してやる。
あの女を潰すために私はなんでも言うことを聞く下僕に電話をかけた。
プルルルル
「もしもし?」
「あたしだけど」
「姐さん。どうしたんですか?」
「鷹本夕の妻鷹本花を潰すの手伝って欲しいの」
「今度は何するですか?」
「そうね結婚式をあげた日の夜帰り道事故にあって救急車で運ばれるけど翌朝には死亡が確認されるなんてどう?」
「・・・それはやり過ぎなんじゃ」
「あんたのひとりやふたりあたしに手にかかればいつでも潰せるけど?」
「・・・すいません」
「証拠が残らないようにするのよ」
「・・・・・・分かりました」
この会話をまさかあの子に聞かれてるなんてね。私も詰めが甘いわね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます