第22話明日は・・・

「夕」

「・・・」

「夕ってば」

「・・・なんだよ?」

「さっきからボーとしてどうした?」

「ちょっと昔のことを思い出してた。そう言えばお前図書館で優希奈と会ったらしいな」

「はぁ?」

「だから高校の時図書館で」

「思い出した。そうそう愛しの元カノさんに会ったことあるんだよ」

「愛しのは余計だ」

「今は愛しの奥さんがいるからな」

「そう。俺には花っていう愛しくて自慢の奥さんがいるの」

「自分で言うなよ」

「それでお前恋愛小説借りてたんだってな」

「あの時はハマってたんだよ。恋愛経験ゼロの体育会系の男の子と恋愛経験ゼロのお嬢様の初々しい純情もの。あれは面白かったな」

「その日以外で優希奈に会ったことある?」

「いや無いぞ。あの日初めて会ってそのまま会うことは無かった」

「そうか」

「なに会いたいの?」

「そうじゃなくて」

「優希奈ちゃん明日来るといいな」

「あぁ」

「さて新婚ホヤホヤの旦那さんをいつまでも付き合わせてるのも可哀想だからそろそろ帰るか」

「そうだな」

「明日はめでたい日だから今日は奢ってやるよ」

「マジで!?サンキュー」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る