何事も成し遂げるには壁がある



「うちの学校の部の成立条件は、①、人数が5人以上いること。②、生徒会長に認められる事よ。あたしの部はそもそも人数が足りないわ。だから、部と言うよりはただの福祉活動ね」

「で、真照はまず人数を集めたい訳か」

「そういうことね」


そうだったのか。今日が入学式だったのによく調べたな。よっぽど部活が作りたかったのだろう。


「具体的には何をするんだ?」

「そうねー、相談に乗ったり、依頼を受けたりって所かしらね。あとは万みたいにお化けに襲われている人を助けるとか、お化け退治だったりね」


なるほどなるほど。…ん?


「俺、お化け苦手なんだが…」


考えただけで顔が真っ青になる。


「大丈夫よ。あたしが何とかするわ」

「何とかって…」


お化けは何とかなるものだっただろうか?


真照が胸を張ってるが…不安だ。


「あたしにはとっておきが有るもの!」


とっておき…。お札とかか?悪霊退散ってやるのか?


まあそんなに自信満々なのだから、きっと何とかなるのだろう。…多分。


「分かった。俺もその部に入らせて貰おう。改めて…よろしくな」

「えぇ、よろしくね!やった!これで人助け部も2人ね!」


名前ダサっ!


「真照…お前ネーミングセンス無いのな」

「ううううう、うるさいわよ!」


もう既に夕方だ。夜になるとお化けの量も増える。早く帰ろう。


夕日が俺達を照らしていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る