p.23 晴れのち雨

 天気のことではないです。

 一緒に仕事していた人が、休憩おわりでコロッと気持ちが変わってしまっていたから、なんですけどー。


 笑っていたのに泣いてるんですよ。


 休憩していた時に何があったんだ、って感じ。


 珍しいことではなく、ちょくちょくある。最初の頃は「どうしたんだろ」心配もしました。まわりにも聞いたり。

“よくある事” となってしまえば、周囲は塩対応になってしまいます。


 しびれを切らして先輩が、理由を聞いてみるんです。その際、場所を変えるので詳しいことは知りません。


 流れ作業に影響が出るので、困っちゃいますね。


 私も何かあれば先輩を頼って、時間を割いてもらったりしてるから、やめてくれとは言えない。


 気持ちの問題、考え方を変えなさい、一言ズバッと言いそうになってしまう。

 気分の浮き沈みは経験あっても、薬を必要とするまではいった事がない。錠剤持ってるのを見ただけで、何の薬かは知りませんが。


 だから安易に「気持ちわかるよ」なんて声に出せない。


 聞いてみて、心が軽くなるなら、歩み寄りたい。何も知らない最初のうちは、そうしてました。

 親身になるうちに、自分もモヤモヤしてくるんですよ。人によって違うかも、ですけど……私はマイナスの感情を風邪みたいにもらっちゃうようで。


“あー、また沈んでるな”

 そう感じたら、距離をとる。元気がもどってきてるなら、いつも通りに接する。


 私自身、モヤモヤしてきたら「どうしたの?」って言われても聞き入れたくないですね。悶々と考え込んで、そのうち疲れてもういいや。感情高ぶってたら何も入ってこない。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る