伝説の屋台
ある掲示板の焼きそば板で密かに噂となっている伝説の屋台が僕の住む街にやってくるそうだ。馬鹿らしい噂とわかっているが友達の話題に上がってしまったには合わせないといけない。
ただ、聞けば聞くほどその噂は荒唐無稽なものであった。しかも、友人はそんなものを探そうとまで言い出した。馬鹿馬鹿しい。僕の時間はお前と違い簡単に捨てていいものではないのだ。騒ぐ彼を捨て置き夕食を食べに外に出ると其処には屋台があった。暖簾には伝説の2文字。
「こ、これは....まさか.....」
そこからはほんのりとソースの匂いがする。堪らなくその屋台に駆け寄ってみるとそこでは、先程まで一緒にいた友人が伝説と書いたハチマキをした少女の手により捌かれていた。
「へいらっしゃい!」
少女は現場を見られているのを気にせず作業を続ける。もう友と呼べぬソレは、脊髄反射だろうか?ピクピクと跳ねるその動きに目を当てられない。―――少女は、何とも言い難い声で
「焼きそば いりますか?」
無邪気に微笑んだ。
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