第8話 愛と修羅


私が蕾であったころ


あなたが花盛りであったころ


頼りなかった宇宙は逆行の歴史を辿っていた


私たちが互いの思いさえ知らなかったころ


太陽は月の裏側を通り続けていた


進化する魚は クジラと泳ぐ海を夢に選んだ


私が捨てた腕時計 似合う人は居なかった


化粧を落とす女に魅力はなかった


生命は鏡合わせに存在していた


あなたに宿る魔性 私は恋焦がれた


懸想する才は花開くか 愛とジレンマ 魔物の雨


人は魔法そのもの


私が少女であったころ


あなたが花盛りであったころ


銀河に春の嵐が吹き荒れた

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