カルセドニーダンジョン③
私達に声をかけて来たのはレイドだった。
「それにナユナちゃんも」
相変わらず私は無視なのね……まぁ、別にいいけどね。
「お二人ともお昼ご飯ですか、僕達も混ぜてくれませんか?」
レイドはチャラい感じで言ってきたけど……
もし私達がOKを出したとしてもお前は、どこに座るんだ、空気椅子でもするのかな、そんな事を考えながら、私はニヤニヤしながらレイドを見た、だって私仮面があるから、ニヤニヤしてもバレないんだよね。
普段は邪魔だけどこういう時に役に立つね。
「それにしても、この場所にテーブルセットが出てるって事はナユナちゃんの空間魔法かなそれともシンシアさんのアイテムボックスかな」
「レイド悪いけど、私達は三人で食事をしてるの。それにあなた自分のパーティを放って置いて大丈夫なの?」
そう言えば、さっき僕達って言ってたな、レイドから少し離れた所に三人の女の子達が居るけど、めちゃくちゃこっちを睨んでるんだよね。
とくにナユナとシンシアさんを私は相変わらず無視されてるけどね。
「あぁ、彼女達は三人仲良くお昼を食べるって言ってたので大丈夫ですよ」
レイドは後ろを向いて彼女達に手を振った、そしたら彼女達も笑顔で手を振り返した。
そして、レイドがナユナとシンシアさんの方に向いたら、また三人はすごい顔で睨んでいた……大丈夫なのかこのパーティ。
「だから……君どいてくれないかな、君がどいてくれないと僕が座れないじゃないか」
うーん……?!初めて話しかけられたけど、私の耳がおかしいのかな?なんかどいてって言われたけど……
「ちょっと、レイド!あなた!りん君に対して失礼じゃない」
「そうですよ!さっきからレイドさん!りんさんに対しての無視したりして失礼ですよ!」
私の為にナユナとシンシアさんが怒ってくれた、とくにナユナが大声で怒るなんて初めて見たよ、それも私の為に……うん、これは嬉しいな、レイドはムカつくけど。
「ごめん、ごめん、この子があまりにも小さいから僕の目には入らなかったよ、ごめんね。ハーフオーガ君」
こいつ本当に謝る気がないな、まぁこんな奴の形だけの謝罪を貰うよりかはいいけどね。
そして、エリーナの奴こいつに、私の個人情報バラしてるし、ステータス偽造しておいて本当に良かった。
もしゴブリンだってバレたらこんな奴から逃げないといけないからね。
「ちょっとあなた!それがちゃんと謝った態度なの!……フッ流石エリーナのお気に入りね。やっぱりエリーナと同じで性格が最悪だわ」
「どうやら、お二人の機嫌を損ねてしまったようですね。でもお二人の怒った顔も可愛らしくって好きですよ。今回は退散しますね」
そう言ってレイドはパーティの元へと戻って行った……
うわぁ……あの人なんとも言えない感じの勘違い野郎だわ、こんな勘違い野郎は前世でも、ドラマとかアニメとかでしか見たことないよ、こんなの強烈すぎて怒る気にもならないよ。
『もう、レイドったら女の子を見るとすぐ声をかけるんだから』
『本当よ、レイド!今回だけは見逃してあげるからね。お昼ご飯まだでしょう。こっちで食べましょう』
『ちょっと、なんに!さり気なく自分近くにレイドを座らせてるのよ!』
『まぁまぁ、三人とも僕の為に怒らないでよ。せっかくの可愛い顔が台無しだよ』
うわぁ、今時僕の為になんて言う奴が居るんだ、やっぱり強烈キャラだわ。
そんな感じで、私はレイド達の話を盗み聞きをしてたら……
『それにしても、あの人たちってせっかくレイドが一緒にご飯を食べてあげるって言ってるのに断るなんて失礼すぎよね』
『本当よ!それに、シンシアって人はSランクだから良いとしても、あのナユナって子、空間魔法が使えるからっていい気になってるけど、ただのDランクの癖にダンジョン攻略するつもりでいるみたいよ』
『それって身の程知らずね。それに大してカワイイわけでもないのに、偉そうな態度でレイドに怒ったりしてるし、レイド大丈夫だった?あたしが慰めてあげるね』
『ちょっとアンタ、さっきから図々しいわよ……』
あの取り巻き達、ナユナの悪口言いやがって、本当女子の嫉妬は醜いは……そう言えば前世でも合ったなこんな感じの事……
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「ちょっと、アイツ✕✕君に告られたのに振ったらしいよ」
「え~!✕✕かわいそ~って言うか✕✕✕って大してカワイイわけでもないのに振るって何様のつもりなの!」
「ちょっと、✕✕✕に聞こえるよ〜」
「別にいいんじゃない。聞かれてもって言うかアイツ陰キャ達とつるんでるしさ、怖くないでしょ」
「確かに、ウケる~」
「あいつらまた✕✕✕の悪口言ってるし、ちょっと文句言ってくるわ」
「いや~別にいいよ。ブスの僻みなんてどうでもいいし」
「ブッ!フハハ~ブスとかって確かに合ってるもしれないけど✕✕✕ブスって言ったらダメじゃん」
「アハハ、りんもブスって言ってるし相変わらずクズだわ」
「クズって相変わらず✕✕✕って口が悪いし」
「そう?りんよりは、マシだよ」
前世の事を思い出してたら……ん?!✕✕✕って!……あれ?!あれあれ!前世のクラスメートの名前が思い出せない……んー、何度も思いたそうとしても思い出せないや、まあ焦らなくてもいつか思い出せればいいか……そんな事を思ってたら
「……さん……りんさん!聞いてますか」
「あっ!ごめん考え事してた」
「考え事ってレイドさんの事ですね!」
「えっ違うよ。アイツの取り巻き達がナユナの悪口を言ってたから、その事をね、本当にあの取り巻き達ムカつくよね。ナユナの悪口を言って」
「あっ大丈夫ですよ。前にも言いましたけど、わたしこう言う事はなれてますから」
「うーん……確かに空間魔法が使える人は嫉妬されたりするわね。でも今度他の人に悪口を言われたらナユナさん!私の名前を使いなさい!それで向こうは黙るはずよ!」
確かに
「ちょっと話がそれちゃったけど、昼食も食べたし、そろそろ休憩も終わりにしましょうか、二人ともそれでいいかしら?」
「そうですね。充分休めたので私は大丈夫ですよ」
「はい、わたしも大丈夫です」
「そうそれじゃあ、すぐ片付けをして進みましょうか」
「はい!すぐ片付けますね。すみませんがりんさん、シンシアさん使った食器類を洗ってもらってもいいですか」
「それは私がやるわ。りん君は洗った食器を拭いてくれる……水よ」
「わかりました」
とシンシアさんは魔法で水を出して食器を洗っていった、私は洗い終わった食器を拭いてナユナに渡して行った。
だいたい10分くらいで片付けが終わった、やっぱり空間魔法って凄いな、どんどん物をしまえるんだもん。
「それじゃあ、片付けも終わったし出発しましょう」
「「はい!」」
私達はまたダンジョンの奥へと進んで行った。
しばらく進むと大きな扉があってそこに人だかりができていた。
「やっと下に行く扉まで着いたわね。二人とも地下1階は魔物は居なかったけど、うーんでもこの様子だと地下2階も魔物に遭遇する事もないかも」
うーん……果たして私はいつになったらレベル上げができるんだろうか、そんな事を思いながら、そして大きな扉の前でもまた行列ができていたので私達は静かに並んだ……
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