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さすが宴、広場には普段見ないテーブルが何卓か並んでいた。

って!テーブルあるのかよ!普段からちゃんと使えよ!

真ん中の1番大きなテーブルの前には、ボスが1人偉そうに……



『 オマエら、よく聞け!今日、久しぶりにニンゲンのメスを捕まえた!これでまた新しい、ナカマが増えるぞ!』


『 サスガ、ボス!』


『 ハヤク、ゴブたちにも、ツカワせてホシイゴブ!』


『 ヒッーヒッヒッヒー、ホントゾ!ホントゾ!』


『 オマエら、焦るな!今晩楽しんだら、好きなだけ使うといい!』


『 『 ボス!タノシミにマッテるゴブ!』』


『 オマエら、宴のはじまりだ!』


『 『 カンパーイゴブ!!』』


やっと、宴が始まったけど……本当に嫌な話だ。

それにしても、あのいつもの2人組の頭のいい方がこの村のボスだったとは。

まぁあ、さっきボスの小屋に行った時に、なんとなくそうじゃないかなって思ったけどね。

それじゃあ、素早く女性を逃がしてあげないと!宴がいつ終わるかわからないから。

そんな事を思いながら、ボスの小屋まで全速力で走った。



◆◆◆



私は、小屋の近くにある木に身を隠し、小屋の周りの様子をうかがった。

うーん……やっぱり居るよね。

見張り、それもいつもの2人組の頭の悪い方。

見張りはあいつ1人だけなんだけど、何かあいつさっきから、そわそわしてないか?

しばらく様子を見ていると2人組頭の悪いほう方が小屋の中に入っていった。

え!あいつが小屋に入ったって事は……まさか!

急いで小屋の入口まで来てしまったけど、どうしよう……

いざ、助けると足がすくんでしまう……やっぱり怖いよ……

でも、今助けないと、もうチャンスはないと思う。

少し落ち込んで下を見ていたら、近くに落ちていた、石を見つけた!

私は、それを持とうとしたら、意外と大きかった、石と言うより岩に近かった。

片手では持てそうにないから、両手で持った。

よし!これで殴って気絶させよう!

早く女性の所に行かないと、女性が危ない!

急いで中に入ったら……案の定やつは、私(私が死んだ歳)くらいの女の子を襲ってた!

女の子を襲うのに夢中で、私が入ってきた事に気がついてない!

今がチャンスだ!私はゴブリンの後頭部目掛けて思いっきり岩で殴った!


「ゴッ!ブ……」


殺ったー!いや、ヤッターだ!殺ってないよね?

気絶してるだけだよね?

とりあえず、呼吸をしてるか確かめたら呼吸はしてるみたいなので、良かった。

これで殺してたら、徳を積むために女の子を助けたのにプラマイゼロになる所だったよ。


「んー!んん!!」


女の子のうねり声がするから、女の子の方を見たらどうやら、口を布で巻かれていて声が出せないみたいだ。

それにしても、酷い有様だ。

顔半分は捕まる時に殴られたのか、腫れ上がったるし、腕は逃げられないようにロープで縛られてるし、ローブ見たいな服は襟の部分が裂けてるし、履いていたズボンが脱げかけていたから、1歩遅かったら……助けられて本当によかったよ。

とりあえず口に巻かれてる布を外してあげた。


「ひっ!今度はピンクのゴブリン!こっちにこないでー!」


あぁ、やっぱりあいつら、と同じに見えてるみたいだ、ショックだわ……

でも、早くしないとボスゴブリンが来てしまうから、さっさとこの子を逃がさないと。


「静かにして!あまり大きい声を出すと、他のゴブリン達が来てしまうから」


「ゴッ、ゴブリンが喋った!」


え!ゴブリンって喋らないのって!?

そんな事は今はどうでもいい!


「とりあえず要件を言うとあなたを助けに来たの。だから私の言う通りにしてね」


「……はい」


「とりあえず、ロープを外すから暴れないでよ」


ロープを外すため女の子の後ろに回った。

やばい!ロープが固く結ばれてるから、私の手じゃ外せない!

どこかにナイフ的なもは、焦りながらキョロキョロと周りを見回すと。


「あった!ちょうどいいのが」


それは、狩りに行く時に使う槍が壁に立てかけてあった。

槍の刃物になってるところならロープも切れる、良かった。

早速ロープを切りに行こうとすると


「ゴッゴブリンさん!後ろ!」


「え!」


振り向こうとしたら、思いっきり蹴られて吹き飛ばされた!


「グッ!ゲェ!」


蹴られた衝撃で骨がヒビが入ったのか、骨が折れたのかわからないけど!

痛い!痛い!痛い!


「ヨクモ!ゴブノ、ジャマオシテクレタナゴブ!コシヌケチビ!」


そう言いながら何度も私は蹴られた。


「どうした、オトウト!なんだこれは!」


「コノ!コシヌケチビガ、ゴブヲナグッテ!ソコニイルニンゲンヲ、オソオウトシタゴブ!」


あっ……こいつら兄弟なんだ痛みをまぎらわせるために、余計なことを考えてみたけど……やっぱり……痛いや


『 『 ナンダ、ナンダ』』


他のゴブリン達まで来たしまったよ。

これじゃ、女の子も助けられないや……なんか意識が遠のいていく……




《 りんってさ、ゲスな時もあるけど、いつも何だかんだで助けてくれるよね……だからさ、今回も頑張ってよ》


なんか走馬灯が見えてきた、でも、ゲスって私の前世やっぱりろくなもんじゃないんだな……

だったら!やれる所までなってやるよ!

私はさっき持ってきた、槍でさっきさんざん蹴ってくれた、2人組頭の悪いほう方を槍で刺した!


「ゴッフ!」


運良く心臓に刺さったのか、呆気なく死んだみたいだ。


「よくも!オトウトを!なぶり殺してやる!オマエら、そいつを死なせない程度に痛めつけつくせ!トドメはゴブがやる!」


『 『 オー!ナカマガ、コロサレタゴブ!イタメツケテヤルゴフ!』』


不味い元から不味かったけど、いくら、槍がリーチが長いからってこんなに大勢相手でこっちは満身創痍だよ……

でも!できるだけ時間を稼いで、女の子が逃げたせるようにしないと!


何人か倒せたけどもう限界だ槍を振る力も残ってないし、早く逃げてくれって思って女の子の方を見たら、恐怖で動けないみたいだ……

あぁ……もう力が入らない……痛みも感じない……

これは、死ぬな……せめて、助けてやりたかったよ……


そんな時!


《神聖魔法で回復をするのだ!》


ついに幻覚まで聞こえるようになってきた……


この世界には魔法もあるんだな……


《 幻覚では無い!早く回復をしろ!呪文は適当でいい!》


え……呪文は適当なんだ……とりあえず回復魔法だから……


力をふりしぼって声を捻り出した……


「ヒ……ヒール!」


魔法を、唱えたら、淡い光が体を包み込んで、今まで痛かった体が嘘のように軽くなった!

そして、私の目の前には黒い剣が浮いていた!


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