第365話ルナリーとキャサリン

結婚式をした年の秋頃のお話。


「ルナリー!下ネタ話して良い?」

練習の後にキャサリンに捕まった。

「ん?良いぞ。どうする?たまにはふたりで飯でも行く?」


最近は夫婦で行動が多かったしな。

「行くー!」

キャサリンのテンションが高い。何か夜の営み的な惚気かな?


「ルイス。今日、キャサリンと飯行ってくる。」

「おー。行ってこい!」

24時間ずっと一緒に居てもルイスとは本当に気が合うんだなあとしみじみと思う。


亭主元気で留守がいいって前世で流行ったけど結婚何年目くらいから思うのかなあ?

今は理解不能だ。


「ルナリー。行こ!ジェファーソンも行ってらっしゃいって言ってくれたわ。」

キャサリン達も相変わらず仲良しだ。


「個室ある所にしようぜ。下ネタだろ?」

「そうね。まあ?そこまで下ネタじゃないけど。」

いやいや盛り上がると何、話し出すか解らんぞ。


ちょっとした高級レストランに2人で晩御飯。

エミリアは水曜日はブルーさんとデートなので誘ってない。

いや、エッチな話はちょっと今のエミリアには禁句なんだよなあ。


「エミリアも早くこの手の話出来ると良いんだがなあ。」

「そうねぇ。ラブホが無いこの時代って本当に不便よね。」

だよな。そこは本当に思う。

お互いの家。またはちゃんとしたホテル。


「自分に魅力が無いとかエミリア、この前ずっとネガティブ発言してたぞ。」

「うーん。私がしちゃってからよね。」

そうそう。

何か友達として取り残された感じがあるのだろう。


「大事にされているんだと思うのよね。ブルーさんも男だし。我慢しているんじゃないかしらね。」

キャサリンが言うのが正しい意見だろう。


結婚するまでしないっていうのもまだ普通だし。


「元はと言えば私が早々にしたのが悪いよな。だってしたかったし。」

今更だが私とルイスは一時期我慢してたけど進展早かった。


「まあ、それはそうだけど。ちょっと話を本題に戻すわね。」

そうだ。キャサリンの下ネタ話だったな。


晩御飯食べながら下ネタトークって大人になったな。私達。


「ねぇ。子供どうする?」

「あー。それな。キャサリン達は避妊してる?」

そんな話もスルッと出る。


「してない。王族ってしないのか?ジェファーソンが知らないだけか。」

キャサリンが良いんだけどねぇ。と苦笑する。


「そりゃそのうち妊娠するな。うちは・・・。したりしなかったりかなあ。今年は仕事頑張りたかったからさ。」

コンサートツアーやレコード販売。今年は働きたいと思っている私とルイス。


子供は授かりものだけど来年あたりかなー?と考えていたりする。


「そうなのよねえ。私もそれは思っているんだけれど。」

キャサリンが軽く溜息をついた。


「どうした?」

王子はやっぱり世継ぎが早く欲しいのかな?

「ジェファーソン・・。めっちゃエッチしたがるのよね。」

ブハッ!!

思わず吹いてしまった。


「あはははは。何か想像つかねーなあ!」

今迄の我慢がそうさせたんだろうな。


「一応、だいたいの排卵日は避けてるの。本当は体温計ったりしたいんだけどね。だいたいの日数でやってる。」

そうキャサリンは言った。

あー。確かにそう言う計算方法あったな。まだこの時代はそう言うのは誰も知らないからキャサリン的にはバレて無い筈!らしい。


「幸せ苦労ってやつだよな。」

「子供欲しいけど。仕事もしたい!仕方ないわよね。時代的に私達ってそうだったしさ。」

そうなんだよなあ。まだ全然、女性が働く時代じゃない。

我が国では音楽家くらいか?高給取りな女性って。


「で、あのさあ。ルナリー?」

「どうした?」

キャサリンがモジモジと言い難い感じで私を見る。


「子供、同級生にしない?」

「まあ。良いけど?上手くいけばね。」

こればかりは本当に授かりものだぞ?


「上手くいけば!婚約者に出来るし!」

わー。なるほどな。

うち財閥だしそれが出来るのか。


「知らねーぞ?こんなのが嫁とか婿だぞ?絶対、ルイスや私に似るし!」

「それでも。その方が良いなあ。同性だったら親友になれそうだし。」


キャサリンの言うのも解る。

王家って言うのはちょっと思うが。

「まあ、良いか。キャサリンに合わせるよ。」

「やった!安心した!」


子育ての苦労も一緒だと楽しそうだしな。



そんな感じで私達は数ヶ月後に妊婦になるのであった。


王子とルイスが嬉しそうで。

なんというか私ら愛されてるなあと思えてまた嬉しくなってしまったのは言うまでもない。

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