第363話2年後
「みんなー!!コンサートにようこそー!」
観客の歓声と大きな拍手。
「楽しんでねー!」
ノネット!ノネット!!ノネット!!!
沢山のコールが聞こえる。
「先ずは新曲だよ!」
喜びの歓声。
待ちわびる拍手。
全国ツアーの最終日は国立音楽ホールだ。
勿論、即日完売。
結婚式から2年が経った。
全国ツアーに国外ツアー。
レコード販売にラジオ放送。
お陰様でノネット・クライムの活動は順調そのものだ。
まだこれが始まりだよ?と会長は何時もそう言う。
確かに歌で世界制覇はまだまだだ。
近隣だけじゃない。もっと各国へ。
そうそう。ラジオはパルドデアとパトリック、アルフィさん、ブレンダさんの共同開発でかなり格安小型化に成功した。
今、開発しているのは活動写真だ。所謂、映画の始まり。チャップリンとかのやつだな。
テレビに関してはアルフィさんとブレンダさんの頭の中ではもう作れそうらしいが歴史を壊さずゆっくりと進めたいそうだ。
あとこの2年での進展はー。
この度、会長とクライスが同棲を始める。
目出度い。
目出度いと言えばエミリアが再来月に結婚する。
後は?
現在、私とキャサリンが妊婦だと言う事くらいかな。ある意味計算だなあ。
見事に子供達は同級生。狙ったと言えばそうなのだが。
私とルイスは普通に友達と思っているのだけど。
お互いが男女と分かれたら婚約者に!!と王子とキャサリンは張り切っている。
うーん?
こればっかりは本人が決める事だしなあ。
まあ、産まれないと性別も解らないし。
この時代はお産も大変そうだし頑張らないとね。
でも、元気にコンサートをこなしている。
「ルナリーどうしたの?」
キャサリンだ。
「んー。結婚も2年目だなあと振り返ってた。」
キャサリン達も相変わらず仲良しで私達と同じだ。
しかし妊婦になって。
「なかなか沢山歌わせてくれないんだよなあ。」
「そうなのよねぇ。休めってジェファーソンもうるさいわ。」
舞台袖でキャサリンと眺める。
「動かないと太るし。」
「だよなあ。」
優しいんだが甘やかし過ぎは良くない。
「よーし!歌うか!」
「出番ね!」
キャサリンと仲良く舞台へ。
「新曲行くよー!」
イエーイ!!
キャサリン様!!ルナリー様!!
「ニュームーンに逢いましょう」
2人の新曲はWinkの曲にしてみた。
激しい動きは無いし歌いやすいし。可愛いし。
拍手喝采で出番は終了。
仕方ない。今回のツアーは大人しく。
子育ても大変だろう。
でも、楽しみで仕方ない。
「キャサリン。私ら幸せだよなあ。」
「しみじみそう思うわね。」
この世界に生まれたことへ感謝。
皆と出会えた事へ感謝。
これからの人生にも感謝。
「2人共!座ってて下さい!」
王子だ。
「はいはい。優しいなあ。」
「ありがとう。大丈夫よ。」
「ルナリー、キャサリン。頑張り過ぎるなよー。」
ルイスも優しい。甘いよなあ。庶民の妊婦はこんな扱い受けないぞ・・。
キャー!!!会場が今日イチの揺れ。
会場はカイン、クライス、ジョージ、会長のイケメンユニットが会場を沸かせている。
相変わらずの人気だ。
「ルナリー、キャサリンお腹触って良い?」
「まだあんまり出てないぞ。」
歌い終わったエミリアが舞台袖に来た。
「あれね。太った?って思われるくらいなのね。」
そうそう。
「結婚式楽しみにしてるぞ!」
「ありがとう。私も楽しみ。」
エミリアの結婚式も国立教会で行われる。
「終わったー!」
「御令嬢達もやっぱり倒れたね。」
カインとジョージは変わらず誰も相手が居ない。今の所まだ興味無しだそうだ。
「さて、アンコールだね。」
会長が全員で行こうか!と声をかける。
「ツアーは終わりだから明日からちょっと休めるね。」
クライスは嬉しそう。
皆で舞台に上がる。
この歓声がやっぱり好きだ。
何年も何十年後も・・・。
ずっとノネット・クライムで。
「ありがとう!!!」
皆に感謝して生きていこう。
・・・・・・・・・・・・・・・
皆様この長編を読んで頂き本当にありがとうございましたm(_ _)m
本編はこれにて終了とさせていただきます。
番外編を少し書きたいのでまだ完結にはしません。
引き続き宜しくお願いします。
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