第348話日常

翌日の空港への見送りは50人くらいのコンサートに来た武士達まで来てくれてびっくりするくらいの盛大な御見送りとなった。

非番の武士達らしく本日仕事の方々は城の門の所で万歳三唱をしてくれた。


「ファンになってくれたんでしょうかねー。」

王子が飛行船に乗り込んで満足そうな笑顔を見せた。

「本当に演歌のレコード販売しようか?儲かると良いなあ。」

会長は早速目論見中。


次に光国さん達に会うのは王子達と私達の結婚式となりそうだ。



そしてカインの叫びと共に出発し再びカインの絶叫と共に無事に帰国した。


2泊3日の弾丸ツアーは満足のいく結果。


私達の日常が戻ってきた。


学校へ行く。放課後にレッスンルームに集合。

でも、これも後3ヶ月で終わる。


卒業を間近に控えると寂しくなるもんだ。


「さあ。クリスマスミサコンサートの曲決めだよー。」

そろそろネタ切れだと会長が嘆いている。


「本当にプラゲって神に祈らないクリスマスソングしかないわよね。」

キャサリンも白紙のノートを見詰める。


クリスマスミサコンサートの曲を本当に決めないとならない時期になり本日は帰国早々に会議中。


「毎年これが1番面倒くさいな。」

ルイスも溜息を付く。


「ラブソング解禁にするかオリジナルを作るか。頑張って思い出すか?」

私がそう言うと悩むねと会長は項垂れた。



「僕達が歌詞を考えます!オリジナル作りましょうよ!そしてもう一曲はキャサリン達が思い出した曲を披露しませんか?」

王子が張り切った様子で手を上げた。


「え?僕達で?出来るかな。」

「少しは成長したと思うけど。」

カインとクライスは王子の発言にちょっと戸惑い気味。

「やりましょうよ。」

「多分、僕が1番考えるの下手そう。」

エミリアはやる気。ジョージは弱気。


「試すか。よし!僕らは思い出し班。考えよう。」

2組に分かれて開始。


「好きなクリスマスソングか冬の歌を試しに上げていこうか。」

会長に言われて考え出す。


歌詞まで覚えている曲だよなあ。


・・・。はい、去年も提案した恋人はサンタクロースしか思いつかない!!


ルイスは?

レプラコーンクリスマス?

「誰の曲だっけ?」

「TMネットワーク。」

あー。あー!なるほど懐かしいな。


会長は好きな曲にしたらしい。

「白い恋人達。桑田佳祐。」

歌詞を見せて貰うとこれもまた良い曲。


キャサリンはと言うと。

「粉雪。これしか出なかった。」

会長とキャサリンの曲は知らない曲だったけれど良い曲だなあ。


「迷うね。」

会長も全部良さげに見えてきたと腕組みして歌詞を眺め中。


王子達の方はと言うと頑張っている様子だ。


ちょっと5人で仲良くノートに書き込みしている。


「ちょっと見せて。」

どうぞと言われて覗き込む。


曲の題名は「ノネットのクリスマス」


今年も皆にお届けするよ


ノネットのクリスマスソング


受け取ってね 僕らの愛のメッセージ


キラキラのネオン


ピカピカのクリスマスツリー


一緒に歌おう


今年も来年もずっと


ノネットと一緒に



「うわぁ!めちゃくちゃ成長してる!」

びっくりした。

あんなに日記すら書けなかったのに?!


「会長、キャサリン、ルイスも!!」

これは見せねば。


「こいつは可愛い曲になりそうだねー。」

会長も感心しているし。


「作曲どうしようかしら?これ良いんじゃない?」

キャサリンは嬉しそうに王子に話し掛けている。


「俺より成長したんじゃない?」

ルイス・・。そうかも。


クリスマスはオリジナル曲と白い恋人達に決めた。


作曲は全員で。あと、歌詞ももう少し長くするかとなり私達もアイデアを出して完成しそうだ。


クリスマスミサコンサートのサンタ衣装も身長に合わせて補正しないとなあ。

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