第294話王子の誕生日パーティー! 祝成人!
早い。もう夏休みが終わってしまった。
ラジオ放送にレコード発売にコンサート計画。光陰矢の如しとは正にこんな感じ。
そして、本日は王子の誕生日パーティー。
「ルナリー。ベッドが広すぎる。」
城へ向かう車の中でルイスが寂しそうに呟く。
「私の家のベッドは狭すぎる。」
ぶっ!ルイスが吹き出した。
「早くうちへ来い!」
「うん。親も煩く無いしね。」
マッケンジー家に居なくて良いのか?と逆に心配されたりしている。
「今回も握手会かな。」
「覚悟するか。」
城へ到着しパーティールームへ向かえ・・・・無い!!
早速捕まってしまった。
「レコード買いました!!」
「感動しました!」
ありがとうございます。と言いながら握手をして回る。
ルナリー様だわ!!
ルイス様だ!!!
相変わらず私は女性ファン、ルイスには男性ファンが多い。
今日は私達の方が到着が早かったらしい。会長達が見当たら無い。
「くそ。皆、ギリギリに来る気か!」
「頑張るしかねーなー。」
王子の誕生日パーティーも3回目。皆、学習したのだろう。
早く来るとこういう目に会う。
「握手して下さい。」「私も。」「僕も。」
はい。ありがとうございます。今度のコンサートも宜しくお願い致します。
「クライス様とケビン様だわー!!」
御令嬢キラーの登場。良かった。少し会場まで歩くスペースが出来た。
「ジョージ様!」「カイン様!!」
御令嬢キラー第2弾。周りが仲間の到着を教えてくれる。ウケる。
パーティー会場に漸く入るとエミリアとブルーさんの握手会が行われていた。
「気の毒にな。」
「直ぐに此方にも来るぞ。」
王子とキャサリンの登場に更に会場が湧く。
これは王子の誕生日パーティーであってファンとの交流会では無いんだが。
今年も王様とお后様の登場により場が落ち着いた。
今回の誕生日は18歳と言うことで我が国では成人に当たる。戴冠式では無いが成人式?
王の挨拶の後に大司教さんからの挨拶と何か祈りがあり王子には産まれた年のワインが与えられた。
王子がワインを1口飲み形式的な挨拶は終了。
これより恒例のダンスパーティーとなった。
拍手と共に王子とキャサリンが踊る。
「やっぱり綺麗だな。」
「うん。お似合いだ。」
会場には睨む者も嫉妬する御令嬢も居ない。羨望と温かな眼差し。心からの祝福。
2人が幸せそうで本当に私も嬉しい。
そしてやはり私達のダンスには黄色い声援が飛ぶ。
クライスと会長のダンスは本当に公式認定されたのだろう。とキャサリンが言っていた。会長はクライス×ケビン何だろうねーとまた訳の分からない事を言ってたし。
かける?×?
公式認定?平成の用語は難しい。
「会長の顔が赤いなあ。」
「クライス何かしたのか?」
踊りながら2人の様子を見る。まあ、幸せそうだから良いか。
熱い声援と拍手でダンスは終了した。
「お疲れ様ー!」
皆の元へ向かう。
「くそー!クライスに耳をやられたぁ!」
会長がちょっと悔しそうで横のクライスは爆笑している。
「この前のお返しですよー!面白かったー!」
どうやら耳に息をふきかけられたらしい。
「皆、お疲れ様!ありがとうねー!」
「本当に今回も面白かったー!ねぇ!今度はルイス!僕達の番ですよ?」
キャサリンと王子が笑顔でやってきた。
「やるのか?」
「やります!」
王子はルイスを連れてダンスをしにいく。
きゃー!!!と言う悲鳴のような御令嬢達の熱い声援が巻き起こる。
「これも公式認定かしらね。」
キャサリンがボソッと呟いた。
カインとジョージも練習したようで今回は2人で踊るらしい。またもや声援が飛ぶ。
「カイン様とジョージ様だわー!!」
「可愛い!!」
エミリアとブルーさんも幸せそうだ。
「平和だな。」
「ジェファーソン、嬉しそうだわー。」
誕生日パーティーも今年までだそうだし今日は一段と王子が弾けている。
「あれ、酒のせいよ。ちょっと控えさせないと。さっきも飲まされてたから。」
「そう言えば顔赤いもんな。」
飲まされてちょっと酔い気味なのかもしれない。
ルイスは誕生日に形式的に1口だけしか飲まずに私の誕生日に一緒に飲もうと言ってくれている。クリスマスだし。
誕生日パーティー終盤、皆が合わせた様にノネットコールをかけだした。
「お願いします!」
「ノネット・クライムの皆様ー!!」
じゃあ、行こうか?顔を見合わせて会場の中央へ。
拍手と歓声が飛び交う。
成人したら公式的な誕生日パーティーはしないのか。知らなかった。だからキャサリンは卒業ソング?にしたのかもな。
「お集まりの皆様!ノネット・クライムでーす!」
会長が叫ぶとさらにワッと歓声と拍手が巻き起こる。
「ジェファーソンお誕生日おめでとうございます!」
「おめでとうございます!」
皆で王子に向かって一礼。王子も笑顔で一礼した。
「本日は2曲披露しますよ!」
それはコンサートのような歓喜。じゃあ祝!成人!
王子の為に歌おう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます