第290話ラジオ生放送で宣言

「おはよ。」


寝てるルイスの頬をつつく。


「んあ?おはよー。」


今日もお互い寝相が悪い。夏だし布団も着てないので尚更だ。扇風機は非常に快適だった。弱風でも十分だ。




「ルナリー。」


すっかり目覚めたルイスが抱きついてくる。


「なんで寝る時はピッタリくっついて寝てるのに。お互い寝相悪いよな。」


「ベッドから落ちないだけまし!」


笑いながらキスをする。夏休みの日課の様におはようのキス。


幸せだ。




「さあ、ラジオ局行くか!」


「おー!」




今日はラジオ放送の日だ。


レコード予約のアピールもしないとね。




朝食を急いで済ませてラジオ局へ向かう。




最近、ラジオ局に会議室が出来た。玄関も段々と社屋っぽくなって来ている。




「おはよー!」「おはよう!」


「おはよう。お二人さん!」


会長はだいたい真っ先に来ている。




「レコード予約が教会だけで2日で1000枚突破らしいよ。」


今朝、大司教さんから電話があったと会長がニヤりと笑った。


「すっげー!!」


「これは5000枚いけそうだね。」


しっかりラジオでもアピールして行こう!と会長の気合いが入る。




「後はコンサートだねー。会場どうしよう?」


そんな話をしていると皆が集まってきた。




「今朝ね!街のレコード店に寄ってきた!」


ジョージが興奮した様に話し出す。


「500枚突破しただって!」


おぉー!!教会と合わせたら1500枚突破だ。



テンション高くラジオ放送の打ち合わせ。





3・2・1!


「こんにちは!ボードウェン国の皆様!ラジオ放送のお時間です。」




「ノネット・クライムでーす!!」




「先ずはお昼のニュースです。」


今日のニュースはエミリアが担当。




「さて、土曜日から始まっています。ノネット・クライムのレコード第2弾予約ですがとっても好調です。まだの方はお早目にお願いします!」


「レコードもですがそろそろコンサートもしたいですね?ジェファーソン!」




「そうだね。国立ボードウェン音楽ホールでやりたいんだけど。どうかな?」




「ボードウェン音楽ホール!???」


生放送なのにめっちゃ叫んでしまった。


まあ、こういうドッキリもありか。




「そろそろそう言い出すんじゃ無いかと思っていたよ。」


「生放送で宣言しちゃったわね。」


クライスとキャサリンが溜息をつく。


本当に何時もの雑談の様なラジオ放送。




ボードウェン音楽ホールは何人だっけ収容人数。


「収容人数って何人?」


何だかんだで私も雑談に参加。




「ルナリー。。3000人だよ。」


「わーおー!」




「やっぱり1度はチャレンジしたい!国立ボードウェン音楽ホールですよ!」


王子嬉しそう。


「えーと。曲をかけます。ノネット・クライムでYour song」




曲の間は自由に話せるからな。


「ジェファーソン。ドッキリすぎ。」


「まさかの国立ボードウェン音楽ホール宣言。」


皆が呆れた様に笑う。




「行けると思うんですよねぇ。やりましょうよ。」




「言っちゃったしね。生放送で。」


うん。皆、仕方ないなと言う顔になっている。


「きちんと宣言しようか。そして今日から曲作成しようよ。」


会長が苦笑いしながらもやる気。




曲が終わり放送再開。




「よし!10月に国立ボードウェン音楽ホールでやりますか!」


「新曲楽しみにして下さいね!」




「皆様を満足させますよ!」




「では!ノネット・クライムでした!」




ラジオ放送終了。




「じゃ、学校戻って曲作るか!」


「皆、ありがとうー!」


王子は嬉しそう。


「何とかなりますよ。」




「ジェファーソン。琉球の言葉ではなんくるないさーって言うのよ。」


「なんくるないさー!」


キャサリンも笑顔で張り切っている。



勿論、私達も。


10月公演。3000人。会場を埋め尽くす!!

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