第285話レコード予約取るぞー!おー!

「本日もラジオ放送の時間がやってまいりました!」




「水曜日担当のノネット・クライムでーす!」


元気な掛け声と共にラジオ放送開始。




「はい!今日は告知と言うかお知らせがあるんですよね?ジェファーソン!」


「クライス。実はそうなんです!8月20日にノネット・クライムのレコード第2弾が発売される事が決定しました!」


パチパチパチ!と取ってつけた様な拍手をする。




「今回も限定版を販売します。限定版には勿論、僕らの写真のジャケットとなっております!」


「限定版は予約のみ!!ここ大事です!予約のみです。」


クライスとジェファーソンの売り込みアピールが続く。




「予約はレコード店と教会で行えます。きちんと住所と氏名と電話番号を記入して下さいね!」




ちなみにラジオ放送だが少しずつ電波塔が増えていっており首都周辺都市まで拡大した。


ラジオの販売も少しづつだが増えている。国内全域目標は早くて年内。遅くとも卒業までには行えそうだ。




「予約は土曜日から1週間と短いですが是非お願いします。尚、新聞にも掲載しますので確認して下さいね!」


クライスと王子の猛アピール終了。




ここからは曲をかけたり雑談。新しいレコードが販売されたらまたかける曲も増えるな。




「では、レコード予約宜しく御願いしまーす!ノネット・クライムでした!」




本日のラジオ放送終了。




「じゃ、今からポスター貼りに行こうか!」


今日は告知三昧の1日。




クライスと会長。ジョージとカイン。キャサリンとエミリア。ルイスと私。に分かれて各店舗や教会へ。


王子は誕生日パーティーの準備期間に入るので帰宅。


「毎回すみません。パルドデア国にはきちんと電話しておきますからね!本当にごめん!」




「気にするなって。皆、楽しくやってるし。」


「誕生日パーティーの料理期待してるぞ。」


王子は料理頑張ります!と言って帰って行った。




「さて、回りますかー!」


おー!




・・・・・・・・・・・・・・・・




「会長、うちの車で行きます?」


クライスが聞いて来たので素直に頷く。


「ありがとう。そうさせてもらうよ。」


えーと。どう回ると効率良いかな。


「先ずは1番大きいレコード店に行こうか!」


クライスは運転手に頼んで車を走らせる。




前もポスター貼りに協力してくれた店ばかりなので今回は楽だ。




レコード店へは2人で入った。


「こんにちは。またポスター貼って貰えませんか?後、レコードの予約受け付けのお願いに来ました!!」


ペコりと頭を下げると店主は驚いて




「わーーー!まさか又お会い出来るとは!」


と感激した様に握手を求めてきた。


快くポスター貼りも予約もOKして貰えたし。他の店員まで寄ってきて「クライス様にケビン様!!!」と握手をしてそして彼等も早速予約すると言ってくれた。


本当に有難いなあ。




「では、宜しく御願いします!」


お願いして店を出る。


「本当にノネットって人気者になりましたよね。」


クライスがしみじみと呟く。




「そうだね。そろそろ雑用をしてくれる人を雇う事も必要かもね。」


「うん。確かにそうだよね。」


次のレコード店への道すがらそんな会話をする。


全国区になったら確実に人出不足だよねとクライスも言う。




その後4件回って終了。


クライスは自宅に送ると言ってくれた。うちの運転手は帰るように言っていたので助かる。




「ねぇ。会長。今年も踊るよね?」


「んー?誕生日パーティー?」


クライスは大きく頷く。


そう来ると思ってたよ。




「良いんじゃない?クライスが踊りたい令嬢が見つかるまでは僕が付き合うよ。」


前世を解っても誘ってくれるのがちょっと嬉しかった。


ずっと普通に接してくれるし。




「やったー!本当にその約束守ってね!」


クライスが嬉しそうに微笑む。僕も嬉しい。




・・・・・・・・・・・・・・・・・






「こんにちは!ジェファーソン・ボードウェンです。はい!お願いします。」


帰って先ずはパルドデアに電話。




王子は誰が電話に出るのかなー。多分、デイビス王子。いや、アルマーニ王子かな?




「あ!!もしもし!アルマーニです!ジェファーソン様ですか?」


あはは。当たった。笑っちゃいけない。




「先日はありがとうございました。今日、早速レコードのジャケット撮影とレコーディングをして来ましたよ。」


そう言うとおおおおー!と電話口で叫び声。


ちょっと煩い。




「それで限定版の予約を取ってもらいたいんですよ。」


アルマーニ王子は勿論です!と言って詳しい内容を確認しメモをしている模様。




「ジャケットって皆さんの写真なんですね!それは斬新!そして欲しい!」


「前回のジャケットも再注文してきたのが出来上がったので送りますね。100枚って多いですか?」


ちょっと多かったかなとは思ったけれどアルマーニ王子なら何とか売ってくれそうと思って試しに作ったんだけど。




「いや、全然、少ないくらいですよ。きっと即完売しますね。」


「それは良かった。宜しく御願いします。」




アルマーニ王子は本当に楽しみにしてくれている。


うちとパルドデア。予約数はどっちが多いかな。




「もし。。暇でしたら10月にコンサートするんですけど。」


何か誘いたくなってしまった。


「行きます!!」


即答だ。




「また連絡しますね。あー。でもボードウェンのコンサートってパルドデアとちょっとテンションが違うかも。」


オールスタンディングで結構、御令嬢が倒れますと言うとアルマーニ王子は電話口でクスクスと笑いだした。




「カッコ良すぎて気絶されるんでしょうね。仕方ないですよ。」


そう言われると照れるなあ。


すっかり話し込んでしまった。




僕の中ではアルマーニ王子は良い人になっている。




「じゃあ、予約数が出ましたらご連絡ください!」


「はい!では今から早急に取り掛かります。また!」


そう言って電話を切った。




あー。なるほど。行動力のスピードがアルマーニ王子って似てるんだ。第2王子って似るのかな。


1人でクスクスと笑いながら誕生日パーティーの招待状作成をやる事にした。


パルドデア国でも沢山売れたら良いなあ。


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