第250話カイン生徒会長のお仕事

えーと。修学旅行先「アーシェンバード国」っと。


観光予定地?


何があるんだ?



朝早くから生徒会室で事務作業。


「会長手伝ってくれないかなあ。」


本当に会長ほど優秀な生徒会長って居ないと思う。僕はまだまだ。


先にこっちから記入しよう。


交通機関?!良かったー!生徒会長で。


もう鉄道一択しかない。


危ない危ない。他の人が生徒会長になって居たら国内旅行でも飛行船を使われた可能性大だった。




3年生の記念の修学旅行に行けない所だったよ。




宿泊先は首都のアーシェンバードでOK。観光も首都で良いか。


自由行動を多めにしないとね。




トントン。扉をノックする音がして


「いるー?」


と声が聞こえた。いるよー!


「おはよう。カイン。やっぱり仕事してたね。」




クライスが笑顔で入って来た。良かった。手伝わせよう。




「早急に決めないとジェファーソンが暴走するからねー。」


そう言って笑うとクライスもそーだよねー。と笑う。


ジェファーソンの行動力って半端ないからなあ。




「ねえ!アーシェンバードの観光地教えてよ。」


今まで興味が無くて全然知らない。




「修学旅行って何泊?」


「あー。4泊5日だよ。」


なるほどねとクライスが考え中。




「聞き込み調査したいよね?」


「そう。だから自由行動多めにしたい。」


クライスも頷く。でも、何か学ぶものが無いと学校側が煩い。




「国立アーシェンバード音楽ホールは?何か演奏やっているでしょ?運が良ければ国立管弦楽団とか聞けるだろうし。」


あー。それもそうだ。音楽ホールなら文句は出ないな。



良し1つ決まりっと。



「後、首都は博物館あるよ。」


定番だな。それは確定っと。




「それとねー。車で1時間ちょっとくらいの所に遊園地があるよ?」


遊園地?クライスの顔を見る。


「遊園地ってあのあれとかある所?」


手をクルクルと回す。遊園地ってボードウェンには無いので行ったこと無いのだ。




「観覧車だね!カインは乗れないだろうなー!」


クライスが想像して爆笑する。うん。絶対乗れない!!


でも、他にも何か面白い乗り物ありそうだし。




「遊園地も良いかも。行ったこと無い人多いだろうしねー。」


これも追加っと。




おっ。結構決まってきたぞ!




トントン!「いるかー?」


扉がノックされる。姐さんの声だ。いるよーと声を掛ける。




「教室行ったら2人とも居ないから絶対此処だと思った!」


と姐さんは笑顔で入って来た。




「修学旅行の観光地決めてる所だよ。」


何か知ってる?と取り敢えず聞くけど勿論、行ったこと無い!!と自信満々。


音楽ホールと博物館、遊園地の話をすると姐さんも噂だけは知っていたのか遊園地にテンションが上がっている。


「おー!遊園地は是非行ってみたい!!後、他国の楽団も聞いて見たい!!」




「学校側も学びが無いと許可出ないからね。後は何が良いかなあ。」


もう1つ2つはきちんとした所に行く提案が必要だと言うと姐さんは腕組みして考え中。




「ほら!あれだ!学校交流会!!」


姐さんがニヤっと笑う。


「皇太子の行ってる学校と交流会したらさあ。同級生の評判とか解るじゃん!」




「やるね!姐さん!」


「うん。それは学校も確実に許可するだろうし。偵察には持ってこいだ。」


クライスと2人でうんうんと関心する。




「で?皇太子って何処の高校?」


それね!知らないな。こりゃジェファーソンに聞くしかないか。


「ジェファーソンに聞いてから提出しようかな。」




「そうだね。良かった。決まったなあ!」




泊まる所の手配や鉄道手配は先生がやるからOKと。


「ありがとう!ジェファーソンとこにも着いてきてよ。」




生徒会室を後にしてピアノ科の教室へ向かう。




教室を覗くとキャサリンと隣同士の席でピッタリ席をくっ付けて話し込む2人を発見!


相変わらず仲良しだなあ。


3人でニヤっと笑いそーっと近づく。




「ジェファーソン!キャサリン!」


背後からポンと肩を叩くとビクッとする2人。




「あははは!2人の世界に入りすぎー!」


「もー!カインたら!」


キャサリンに怒られる。面白い。




「これ、修学旅行の提案書なんだけど。見てよ。」


2人の前に書き込んだ予定表を置く。




「凄い!この提案なら絶対通りますよ!」


ジェファーソンは嬉しそうに頷く。


「遊園地かあ。行ったこと無いわ!」


キャサリンも無いらしく嬉しそうだし。




「で、この学校交流会をして偵察をしたい。」


ジェファーソンはニヤリと笑い良く思い付きましたねと言った。


姐さんが考えたんだよと言うと関心してた。




「高校はねー。国立アーシェン学院の音楽科だよ。」


と教えてくれた。




「アーシェン学院は普通科と音楽科があって音楽レベルはうちの学校より下じゃないかな?」


でも、音楽だけの高校は無いから交流するにはピッタリだと思う。


ジェファーソンはカインを生徒会長にして良かったー!と言ってくれた。


何だか嬉しい。




「あっ!!交通機関が鉄道になってるわ!」


「本当だ!飛行船なら直ぐなのにー。」


キャサリンとクライスにバレた。そしてジェファーソンと姐さんにも。




「まあ、仕方ないですよね。」


「睨む訳には行かないもんなあ。」


4人に溜息をつかれたがここは曲げない!




良かったー。生徒会長の権限!




「じゃ職員室行ってくるね。授業始まるし。」


ブーブー言う4人を背に職員室へ。




修学旅行、楽しみだ!

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