第232話会長の日常と曲決め
さてと!今日も学校行きますかー!
卒業してからも毎日学校に通っているのって僕しか居ない。
学校側の許可も取っているし。そこは良いのだけど。
ポスター貼った、広告手配OK、チケット各教会とホールに置いただろー。後は?曲決めと練習と。
危険だ。社畜時代の癖で何もかも自分で仕切りたくなっている。
クライスが言うように多少は人に任せないと。
あー。本当言うと車の免許も取りたいなあ。運転手に運転させるの面倒くさい。
でも、悔しいがミッション車を僕は運転経験が無い。
前世はオートマ限定だった。後は車のシートベルトとエアバッグが無いのが怖い!!だからちょっと運転する自信が無い。
しかし、制服って毎日同じ格好出来て便利だったなあ。
現在はスーツ着回し中。夏はどうしよう。暑いよねー。熱中症とかの概念が無いこの世界、この時代。クールビズが恋しい。
学校に到着。
レッスンルームは一番乗り!
ジェファーソンとクライスの個人曲を今日は教えて。
何かウケの良い新曲、誰か考えて来てくれてるかなあ。
ガラガラっとドアが開く。
「おはよー!会長!」
「おーす!」
「おはよう。マッケンジー夫妻。」
ルナリーとルイスに何だよそれーと突っ込まれる。実際そうだしー。
「ねえ、会長、今回って何処までロックテイストで良いの?」
「それ、俺も確認したかった!」
色々と曲を知っていると悩める線引きだよね。
「そこね。ちょっとだけロック。」
曖昧過ぎか。
「横浜銀〇は?」
「訳せる言葉がボードウェン語にないぞ?」
良かった、ルナリーが突っ込んでくれて。めちゃくちゃ2人に似合いそうだけど。ツッパリハイスクールロックンロールって流石に歌わせられない。
「チャゲアス!万里の河とか!」
「クリキンは?大都会!」
おー!良いねー!と2人で言っているがどんな歌だっけ?
試しに歌ってもらう。
「遠く 遠く 何処までも遠くー♪」
が万里の河なーとルナリー。何か記憶にある。
「大都会か。ちょっと待って。ルナリー、パス!」
ルイスが俺に出る声じゃないとルナリーにお願いしている。
「あー!あー果てしないー!夢を追い続けー!」
これか!誰に歌わせる気だ?僕かクライスしか無理だろう。
「キツい曲だねー。クリキンってクリス〇ルキングの事か。もしかして北斗の拳も?彼等の曲か?」
と聞くとそうそうと2人は頷く。納得。面白いかもな。
「よし!楽譜作ってくれ。2曲とも。」
お願いすると早速取り掛かってくれた。
ガラガラっとドアが開きキャサリンとジェファーソンにカイン。
「おはようー!」
「早いねー。」
そして次々と皆が揃って行く。
昨日の僕とクライスが帰ってから既存曲決めは終わって後は2曲とアンコールと。
上出来だ。
今、ルナリーとルイスで2曲!どれをアンコールにするかは別としてあと2曲くらいでいけるんじゃないかな。
今回はとても順調だ。
「さて、クライスこれは君の個人曲。」
「こちらはジェファーソン。」
個人的に好みの曲にしてしまった。
2人は楽譜を見て少しずつ口ずさんでいる。
本当に才能の塊のハイスペック集団。
「会長、これちょっと恥ずかしい。歌詞が。」
「僕のは失恋ソングですね。メロディーが良いなあ。」
クライスの楽譜をルナリーが見せてと頼んで歌い出す。
「あの日あの時あの場所で君に逢えなかったらー。」
そう、小田〇正でラブ・ストーリーは突然に。
ちなみにジェファーソンの曲は久保〇利伸でMissing。
「クライス、無理?」
結構、高音だし。
「1人で歌うのが恥ずかしいだけー。頑張るよ。」
と引き受けてくれた。確かに今まで個人曲でラブソングは歌った事ないもんね。
しかし順調に仕事が進むと気持ち良いねー。
「ところでキャサリンの個人曲が聞きたいなあ。」
まだどんな曲か知らないし。ボカロって多分、千本桜だよね?
プラゲ語で歌うならまあ良いかな。
「よし!じゃあ歌うわね!」
キャサリンが立ち上がる。ううん。と咳払い。
「さあ、憐あわれんで 血統書 持ち寄って反教典
沈んだ唱導 腹這い幻聴 謁見 席巻 妄信症
踊れ酔え孕 アヴァターラ新大系
斜めの幻聴 錻力と宗教 ラル・ラリ・唱えろ生!」
待てキャサリン!思わず止めてしまった。
僕すら意味が解らないと言うか言葉が早すぎる。
他の皆も今の何?と口をポカンと開けてしまっている。
「いつの間にプラゲ語マスターに?凄いキャサリン!」
王子は違う意味で感心している。
いや、凄いよ。良く歌えると言うか舌が回るなと言うか。
「ちょっと変かしら?うーん。」
キャサリンが口を尖らせて悩みモードに入ってしまった。
ボカロって色々あるのね。知らなかった申し訳ない。
キャサリンに歌詞を見せて貰う。益々解らない。年の差か。若くないと理解出来ないのか。
「千本桜は?」
キャサリンの耳元で呟く。
キャサリンはうんうんと頷き今回はそうすると納得してくれた。
ちなみに先程の曲はブリキノダンスと言うらしい。曲のMAXはもう少し歌ってかららしくそりゃ凄い早口な曲だ。
キャサリンの千本桜の披露は明日にするとして。
「ユニットでもやろうか?」
そう提案し今日はユニット曲中心で行う事にした。
練習後、クライスとジェファーソン、キャサリン、ルイス、ルナリーには残って貰った。
「クライス、両親には話した?」
勿論、ダンスの件だ。
クライスは話した。反対はされ無かったと言う。と、言うより令嬢と踊るのは諦められ気味だと言う。
家でも嫌がっているんだろうなあ。
「はい!今度クライスの妹さんが婚約します。」
昨日、聞いた話をする。
おめでとうと言いつつ4人ともクライスを察して複雑そうな顔をしている。
「また親が面倒そうね?」
キャサリンが気の毒がるとクライスが項垂れる。
「ダンスなんだけどシャッフルダンスにしたいんだ。」
4人にも男同士、女同士ペアでノネット・クライムメンバーと言う感じで婚約パーティーでクライスがエスコートするのを誤魔化してあげたいと伝える。
「ジェファーソン、俺より身長低いから女性役な!」
ルイスが笑いながら言うとジェファーソンが笑いながらこの前楽しかったからOKと快く引き受けていた。
「じゃ私とキャサリンも踊るね。」
「結構、楽しかったのよねー。」
あれ、楽しかったんだな。それは自然に出来て良い。
クライスも嬉しそうだし。
ちなみに婚約パーティーはコンサートの翌週だ。また女性パート練習しとこ。
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