第188話アンケート集計と初任給

帰ってめちゃくちゃ寝たのに授業中の眠い事眠い事。




でも放課後になると元気!レッスンルームへレッツゴー!




「昨日はお疲れ様ー!」


ちょうど良かった会長とキャサリンとルイスが居た。




「ルナリー聞いたぞ。」


ルイスが話したのか昨日の話しを2人はもう聞いたようだ。


「全く。あんたって子は。相変わらず無茶苦茶よねえ。」


うん!呆れられている気がする!!




「すまん。話した。早く曲を考えた方が良いだろ?」


「うん。ありがとうルイス。」




いつも頼って申し訳ないけれどキャサリンと会長の記憶が頼りだ。


「無いことはないよ。でも夜の女王のアリアを超える難易度は現代には作られて居ない。」


やはりそうか。


「そうね。無いこともないのよね。」


2人とも同じ反応だった。


「だかしかし!歌詞がうろ覚え。当時は興味が無かったんだ。こう曲の流れは知ってるよ?でも歌詞をフルで覚えてない。」


キャサリンもダウンロードもしてないしCDも買っていないそうだ。


CDってLPの進化版みたいなやつだよなー。あんまり記憶にないが。


「1度、教会で大司教様も交えて曲が作れるか話し合いましょ。三人寄れば文殊の知恵って言うしね!」


ありがとうございます。本当に助かる。後日、こっそり教会集合を決めた。




ガラガラっと扉が開いて疲れが抜けていない皆が集まって来た。




「思ったより疲れてるー!」


クライスもカインも授業中ぼーっとしていたもんなあ。




最後に警護人と一緒に王子がアンケートの束を持ってきた。




「おー!凄い量だね。」


「みんなお疲れ様!何とアンケート400枚近くありました。」




そりゃ凄い量だ。




「今日は歌はお休みにしてアンケート読みましょ。」


王子は机にバサッと束を置いた。警護人も横に束を置いて一礼して出ていった。




「何の曲がウケが良いか集計しましょうか。」


「眠くなりそうなので半分に分けて読み上げ担当とメモ担当にしない?」


私の意見が通って4人と5人に分かれて集計。




クライス、カイン、エミリア、私。あと残り組。




「えーと。島唄。」


「浪漫飛行で。」


カインが書記をしてくれている。感想が書いてある物と無いものに束は分けて後でゆっくり読むことにした。




おお、ワダツミの木がめちゃくちゃ褒められている!嬉しいなあ。


「ルナリー、ニヤニヤしてる。褒められてるの?」


「うん。純粋に嬉しい。」


でも、クライスと会長人気が1番あるかもなあ。カインとジョージも多い。そっかあ。婚約者居ないからか。




「こっち終わったぞー!」


ルイスが声をかける。


「もうちょい待って。」


5人だと早いな。予想通りと言えばそうだけど上位にこれが入ったかって感じもする。




「結果発表ー!」


ジェファーソンが笑顔で黒板に向かった。さあ、お互いの第5位からお願いしますと言ってチョークを持った。


5位


「異国の友へ」「浪漫飛行」


4位


「Oh happy day」「乾杯」


3位


「乾杯」「ひとり」


2位


「島唄」「Jupiter」


1位


「Jupiter」「島唄」




「へー!ちょっとずつ違いましたね。しかし1位と2位はこの2曲ですね。」


王子が嬉しそうに黒板に書いている。




私が意外だったのは異国の友へだ。凄いな王子の作曲。




「夢芝居が入らなかった。残念。」


ルイスが横に来てボソッと呟いた。まあ仕方ない。




「なるほど。理解した。」


会長が挙手。




「はい!会長!!」


王子は何か御機嫌。




「スローテンポだね。比較的ゆっくりな曲。そして馴染みやすいクラシック感がある曲。」


うんうん。確かにそうだ。理解しやすい曲が選ばれている気がする。




「そうですね。後は比較的満遍なく票が入ってましたよね?」


「こっちもそうでした。そこまで差がないとも言える。」




作ってきた曲が間違ってなかったって事だろうなあ。




「あっ!もう1個解ったかも。あのね。私達がやった集計は初日で知らない人が多い回。王子達のは2日目でファンが多かった回だ。」


うん。ファンと初の方と求めてるジャンルが3位以下で出てる。そう思って発言した。




「おー!凄い!ルナリー!」


王子がまさに!と頷いていた。




「斬新な曲と無難な曲。混ぜながらですかねえ。」


クライスが首を捻る。




「僕達からの提案ー!昨日コンサートの後に話したんだけど。」


会長がユニットの話を始めた。




3人ずつか。面白いな。




「めちゃくちゃ楽しそうじゃないですか!!」


王子の目の色がキラキラと変わっている。


こりゃこの案は確定したな。




「良し、次回ユニットは試しましょう。後は斬新な曲と無難な曲を混ぜる。」


アンケート会議終了。後は楽しく感想を読ませて貰った。


参考にもなる良い感触の感想。




「さてと。帰る前に皆様にお給料です!」


王子がニヤっと私達に笑いかける。




「市民ホールの3日間の費用と警護人とメイドへの日給は差し引きました。」




そう言って配られた初任給は約1000ボードウェンドル!




10万だ!10万円だ!




凄く興奮して疲れが吹っ飛んだ!




家に帰って初任給は親に全部渡した。


勿論、中身にびっくりしていたし自分で使わないのかと言われたけれど。


中学まで習っていたピアノや声楽って結構なレッスン料だったと思うんだよねー。


やっと少しは親孝行出来たかなあ。


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