第88話リサ

出会いは何時も突然。




クリスマスミサコンサートには毎年通っている。今年はレオナルドとジミーと一緒に来た。


毎年変わり映えしないのよね。




そう思っていた時だった。


可愛いサンタクロースの衣装に身を包んだ高校生達。




歌が何よりも衝撃的で私の心に落雷が落ちた様だった。




ソプラノの美少女が私に微笑みかけて歌っている。


可愛い。可愛い。可愛い。




もっと聞きたい。ずっと聞きたい。


あの子は天使だ。




何とかしてまた逢いたいと思っていたら共演依頼が来た。あの会場に居た先生も納得のいく歌声だったらしく共演OKを出していた。


あぁ。これは運命。




どうやったら仲良くなれるかしら?


家を調べないと。




指輪をしている。


相手は誰かしら?




何時しか彼女が男性と話すだけで虫唾が走る思いがして来た。


ルナリー。貴女は私のモノなのよ?




私の勘は当たる。ジミーが天使に対していやらしい目付きで見ている。


此奴は排除しなければならない。




ジミー?私は女で非力だと思ったら大間違いよ。


ルナリーの後をつけたジミーをその場で刺すか迷った。暗闇で良く見えないし私の天使を傷つけてしまうかもしれない。




良かった。ルナリーのお母様が助けてくれたみたい。




すごすごと帰るジミーを追いかける。




さよなら。ジミー。もう二度と会うことはないでしょう。




ルナリー?貴女と私を邪魔する奴はもう居ないわ。






アレックスがルナリーの鞄に手紙を入れていた。そう貴方もなの。邪魔ね。


でも。明日の公演が終わるまで待ってあげる。今、アレックスの代わりは居ない。






公演が終わって。何処?!


アレックス!ルナリーを何処へ隠した?


血眼になって探して漸く見つけた。




汚らわしい!汚らわしい!汚らわしい!




私はナイフを手にアレックス目掛けて駆けた。




ルナリーは誰にも渡さない!!






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




何が起こったのかしら?




私、警察に捕まっているの?




おかしいなあ。何処で間違ったんだろう。




ただ愛していただけなのに。




ルナリー




天使じゃなかった




悪魔より強かった




ジミー。ごめんね。友達だったのに。


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