第34話閑話 破滅フラグは突然に

アリア音楽学院生徒の殆どが上流階級の身分だが優秀な庶民も数名存在する。現在は3学年合わせて10名。


庶民の居心地は勿論悪く苛めにあったり友達が出来なかったり苦境を強いられている者が多い。






「ねぇ。こちら貴女のお父様の会社の社長令嬢。こちらは会長のご子息なの。」


1人の庶民生徒が取り囲まれていた。


「会社、クビになったら困るわよね?この学院に通えなくなりますものね?」


庶民生徒は涙目で頷く。


「そんなに泣かないで苛めにあっているって嘘をついてくれるだけでいいの」


「いい事、これは他言無用です事よ。話したら貴女のお父様はクビ。」






そして、別の生徒も。


「貴方の家の税金を値上げすることにするわ」


「困るわよね?それよりも領民は私に逆らえませんものね?」


「そう。貴方は苛めにあっているの。そう言えば良いだけ」




その不穏な影はエミリアの所にも迫っていた。




「エミリアさん」


最近、ルナリーやキャサリンのお陰で減ってきた苛め。


でも、全く無くなった訳では無い。嫌味くらいはしょっちゅうだ。


今回は人数が多い。頑張って耐えよう。耐えたら彼女達は飽きてくれる。




「こちらエミリアさんのお父様の会社の役員の御令嬢。そして此方は筆頭株主の御令嬢です。」


お父様の勤める会社の?!エミリアは何時もと違う令嬢達の出方に戸惑いながらも挨拶をする。




「ねえ?お父様がクビになったら困るわよね?」


突然の発言に顔が固まる。


「学院に通えなくなりますものね」




「何が仰りたいのでしょうか?」


エミリアは状況を必死で把握しながら令嬢の様子を伺う。




「貴女が私達の言うことを実行しなかったら貴女のお父様は会社をクビになります」


脅しだ!


「貴女はこれから言う方に苛めに会っている事にして貰いたいの」


「勿論この事を他言しても貴女のお父様はクビよ」


嫌な予感がする。絶対に実行出来ない話だ。感がそう言っている。


「だっ誰ですか?」


令嬢達はニヤリと微笑みかける。それはとても不快な笑みだった。

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