第5話悪役令嬢って大変なんだなあ

前世は引きこもりのオタクであった。


コミュ障と呼ばれ兎に角ゲーム漬けの日々を送っていた。


私の心を癒したのは乙女ゲームやアニメ。


恋は2次元のみ。それが幸せだった。




その後どうやって死んだか覚えて居ないが見事に乙女ゲームアリア学院ラブソングの世界に転生




と、思い出したのが入学式の校門前だった。


何度も何度もプレイした。この光景。


そして、私の名前はキャサリン・フラーム。私の推しキャラの婚約者であり悪役令嬢である。




背中に冷たい汗が流れる


有り得ない。主人公、いやもう最悪モブとか攻略対象者でも良かった。




普通は幼少期に前世の記憶に目覚めて破滅フラグ回避とかするんじゃないの?




して来てません。




ずっと王子に付き纏い、陰では寄ってくる女を苛めまくっておりました。


王子に全く愛されていません!政略結婚の王道を行ってます!




逃げ帰りたい気持ちを何とか抑えて入学式を迎える。


才能もないのにピアノ科に何とか裏金で合格。




取り巻きの御令嬢達もピアノ科、管楽器科、声楽科、管弦楽科に入学している。




乙女ゲームの世界ではありませんように。祈りながらの入学式。




声楽科に主人公ルナリー・ウェールズを見付ける。




いたー。私が苛めまくって最終的に私が破滅エンドを迎える根源。


ルナリーは女性から見ても美しい。金髪のロングで碧眼、白い肌、綺麗な大きな二重、睫毛長いなー。




このまま平穏無事な生活を送ろう!


苛めなきゃ何とかなるに違いない!もう誰も苛めない!


王子は。。諦めようかな。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「貴女は誰?」


私の知ってるルナリーは大人しくただ苛めに耐える子


健気で優しく攻略対象者達はメロメロになるのだ




「うーん?入学前に階段から落ちて頭打ったんだよね」


ルナリーはそう言った




「まっ。信じられねーだろーけどさー。前世がヤンキーでさ。記憶戻っちまったら元に戻れなくなっちまった!」


あっけらかんと大笑いしている。




「まさか!転生者?!」


キャサリンが何か知ってる単語を言ってきた




少し考え込んで話始めた


「私も前世があるの。日本人、、。」


まじか!やっぱり私だけじゃないんだなー。




「いやー。良かった良かった!仲間じゃねーか!」




「仲間じゃないわよ!貴女は主人公!私は悪役令嬢なのよ!」


キャサリンは突然泣き出してしまった




「いやー?悪役上等だろ?楽しそうじゃん」


ゲームを知らない私は彼女が泣く意味が全く解らない




泣きじゃくるキャサリンの背中を擦りながら話を聞く




なるほど。私が王子と付き合うと婚約解消されて身分剥奪されるのか。


王子じゃない奴と付き合う事になっても苛めの責任を取らされて婚約解消と。




「王子と結婚とか面倒くさいから婚約解消でいいんじゃねーの?」


私には王家とか絶対向いてない




「好きなの。ジェファーソン様の事」


キャサリンは又泣き出した




「変わった好みだなー」


しかし、何とかして結婚させてやりたいなあ


純愛上等!だよねー!




「良し!結婚出来る様に頑張ろう!お前が私を苛めなきゃいいんだろ?」


ニヤニヤと笑いかける。


「て言うか、苛められる訳ないよなあ。私、強いよ?」




あっ。でもこの身体でまだ人殴った事ないな。鍛えないとな。後、武器も欲しいなあ


等と考えに耽っているとようやくキャサリンは泣き止んだ




「とりあえず、発表まで日がないから練習しよーぜ」




成績は上げとかないとな!私達はレッスンルームへ向かった

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